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2021年10月30日(土)
19日間の入院生活を終え、ようやく退院してきました。股関節の痛みは癒えて、傷の痛みもほぼなくなりました。私には持病があってリハビリテーション病院に転院ができないので、これからは自宅でゆっくり体づくりをしてゆきます。
帰ってきてみたら、ウサギの絹子が淋しさからか体調を崩していました。抱き上げると少しくにゃっとしていました。私は何度も抱きしめ、たくさんのキスを繰り返しました。絹子はだんだん元気になり、今では部屋を走り回っています。私も寂しかった。ぬいぐるみのウサギを抱きしめて布団に潜り込むと看護師さんに心配されてばかりいました。せん妄を引き起こす人、盗難にあったと思い込む人、痛みからベッドに手を打ちつけて叫ぶ人…等々実にいろんな患者さんがいました。私はただただ静かに神様に祈りぬいていました。
退院してくると、様々な問題が山積していました。和式の床生活をしてはいけないと、主治医に厳しく言われたので、洋式の生活にすべく、曲げた90度の膝より屈折してはいけないという股関節の法則を守り、たとえばヤンキー座りや、低い位置に座って足を曲げるのは厳禁!体育座りは良いのですが、ぺたんと女の子座り、お姉さん座りはいけないという訳なんです。
ベッドの高さ、リクライニングベッドへの変更、椅子の配備、或いは便座の高さまで吟味しました。床に座るときは片膝ついてから、そろそろと正座に居直るのはOK!旦那さんは食事にまで気を遣わねばならず、カリウム鉄分強化食を作りながら、財布の紐を緩めてくれました。
でも家はやはり一番嬉しい♡
自分の匂いと、愛する植物たちと、あたたかい暖色の照明に照らされて、好みの食べ物に囲まれて。美しい看護師が束になってかかっても敵わぬ自宅のぬくもり。夫宛に出したラブレターも無事に届いていました。
私たちは動物たちと同じく、自分の家にマーキングして生きています。旅をすると、その違和感が楽しめるかどうかで旅の醍醐味が決まります。
結果15センチ以上の傷を負いましたが、私は丁寧に生き直そうと誓って、歯を食いしばって頑張っています。私はこうして入院のたびに人生の仕切り直しができるのだから、案外、恵まれているかもしれません。