『BTS オン・ザ・ロード』に読む、ハイブリッド型アイドルの奥深さ
とても勉強になった!
ソウル大学言論情報学科教授のホン・ソクキョン氏が分析するハイブリッド型カルチャーBTSの本。氏はフランスのボルドー大学で13年間、副教授として在職していたため、欧米を通した観察者の視点で綴られています。調査も米国とヨーロッパで1年かけたとのこと。
●トランスメディアで語られる米国エンターテインメントとの親和性
●YouTubeとTwitterなどのSNSのユニークな駆使と「地下経済」の重要性
●彼らのメイクや徹底した美白主義(韓国は軍隊で使う偽装クリームにも日焼け止めと保湿剤が!)、人前で涙を流す、同性同士での愛情表現など、東アジアの男性がハリウッド型の「男らしさ」に一石を投じたことと、開かれたジェンダー性
●人種問題における東アジア人の自尊心
●多様性の時代、東アジアの男性が美しくセクシーであると(初めて)認識されたこと
●ARMYと呼ばれるファンとの、東アジア的な熱い身近な関係性
●2018年の国連でのスピーチ「Love myself」に見られるZ世代への強いメッセージと社会性、曲に組み込まれる若者の普遍的な苦悩
と並べましたが、何より、BTS7人の才能と努力、そしてお互いの強い信頼や連帯感があってのことです。
クリエイティブな仕事をなさっている方々の役にも立つ本だと思います。