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好酸球性血管性浮腫の記録

先日、肌荒れの治療で皮膚科のクリニックに行ったら既往歴を聞かれました。
わたしは2015年に「好酸球性血管性浮腫」という病気で短期間入院したことがあります。クリニックの先生に聞くと、この病気は今も研究が進んでいないそうです。久々に検索してもこれといって新しい情報はありませんでした。命の危険性がない病気の研究は後回しになるらしいです。確かにガンや脳の病気に比べれば優先順位が低くなるのは当たり前ですね。

でも・・・・・・当時はほんとしんどかったです。見た目は変わるし、行動は制限されるし、毎月血抜かれるし(定期検査)、副作用きついし。
わたし自身いろいろ戸惑ったこともあったので、この診断名が下りた人にとって少しでも参考になるように(あくまで個人の話ですが)記録にして残しておこうと思いました。
病気の説明はウィキペディアに載ってるので省略します。ここの情報だと、理由は不明ですが20~30代の女性に多いらしいです。(ちなみにわたしもそうでした・・・こわ・・・・・・)

時系列順の記録

<2015年7月上旬>
症状が出始める。最初に感じたのは猛烈な足裏のかゆみでした。掻いても掻いてもかゆい。丸一日かゆい。当時の近所の皮膚科では「虫刺されじゃないか」と言われかゆみ止めを処方されました。そりゃ初めはダニを疑うよね。
その後、病院を変えるも同じような診察結果に。

<7月中旬>
かゆみがおさまらず、足裏が水ぶくれのような状態に。いてもたってもいられず昼休みに職場近くの内科へ駆け込む。結論は出なかったものの「両足が同時に腫れるのは虫刺されなんかじゃない。内臓(が原因)です」と結構怖いことを言われる。
とにかく精密検査を、と言われたので自宅に近い医科大学病院への紹介状を書いてもらう。この頃が一番怖かったです。ガンか何かじゃないのかと。

<7月24日>

朝起きると足首~足裏がパンパンにむくんで、歩くたびにミシミシと痛む……という状態が続く。

にもかかわらずユーフォ聖地巡りしてたんですけどね。(現実逃避)
翌日、足がむくみすぎてついにサンダルが入らなくなりました。

<7月28日>
紹介された医科大学で精密検査を受ける。内科やリウマチ科を回るひたすらしんどい一日仕事。結果は次回への持ち越しに。

<7月31日>
症状が出始めて3週間、長い長い病院巡りの末にやっと病名が判明。
「好酸球性血管性浮腫」。決め手は血液検査の好酸球の数値でした。そもそも好酸球というのは白血球の一種で、白血球のうち5%前後含まれていれば正常域なんですが検査結果は35%。明らかにボーダーを突き破ってました。
わたし「なんで35%に増えたんですか?」
医師「分かりません」
「・・・なんでかゆくなったんですかね?」
「分かりません」
「・・・・・・」
謎の病名、謎の原因。呆気に取られつつ、命に関わる病気ではないことに一安心。夕方職場に寄って、溜まった仕事を片付けて帰宅。「疲れたな~明日は土曜か~~」なんて呑気に考えてました。
その後地獄を見ることになるとは知る由もなく・・・・・・。

<8月1日>
午後5時頃、安静にしていたところ手足にポツポツと湿疹が出始める。最初は赤い斑点のようなもの。
午後8時、発熱。38.5度。湿疹が全身に広がり「かゆみ地獄」に陥る。あまりのかゆさに我を失い、「死ぬほど痛いのはイヤだけど死ぬほどかゆいのもイヤだ・・・・・・・・・!」と心の中で悲鳴を上げる。一睡も出来ず朝を迎える。

<8月2日>
翌日、鏡を見ると蕁麻疹で全身が紫色になった自分の姿が。顔もおしりもすべて紫、まぶたが垂れ下がった己の顔は縄文時代の土偶のようでした。フードとマスクの完全装備で救急外来へ直行、(ほんとはイヤだったけど)医師の説得に根負けしてステロイドの錠剤を処方してもらう。自宅を離れて実家で静養。医科大学病院→地元の総合病院へ。

<8月3日~9日>

地元病院でのシュールな一コマ。
別の大学附属病院(皮膚科)に紹介状を書いてもらう。

<8月10日~18日>

結果、「入院ですね」と言われ。
盆休みを大学附属病院で過ごしました。

<2015年8月~2016年3月>
仕事に復帰。ステロイド投与を半年間続けながら経過観察。月1回の通院(血液検査+診察)を続けて無事に寛解しました。

入院生活

正直、入院直後から足のむくみは引き始めてて、「念のため」の意味合いが強かったです。たぶんこの病気で入院した人の方が少ないと思う。毎回、自分で皮膚科の診察室まで行って説明を受けて、決められた時間にステロイド服用、という生活でした。食事もシャワーすべてセルフ。
あ、あと入院中はずっと咳が出てました。同じ病気の人で他にもいるんでしょうかね?「免疫が落ちてるのかなぁ」なんてお医者さんは言ってましたが。

ちなみに記事のサムネイルは入院食の写真です。

半年間の治療

この病気で一番つらかったのはステロイド治療でした。ステロイドは急には止められなくて(再発の可能性があるから)、少しずつ減らしながら0に近づける必要があるんです。が、その間はずーーーっと副作用との闘いでした。顔がむくんで丸くなる「ムーンフェイス」、飲酒の制限(禁止ではなかったけど気持ち的に飲めない)、激しい運動の禁止、底なしの食欲、おさまらないイライラ・・・・・・
中でもショックだったのは髪の毛がごっそり抜けたこと。あれは本当に気が滅入りました。他にも大変な病気はたくさんあるし、確実に治ると分かってるのにショックを受けている自分がすごく嫌で、気持ちの行き場がなくてわんわん泣いてました。蕁麻疹もそうだけど自分の見た目が変わるのが一番こたえた。幸い職場の人がすごく優しくて、見た目のことは何一つ言ってこなかったし、月1回の通院も嫌な思いをせずに行くことができました。

まとめ

2016年3月、最初のかゆみ発症から約8か月。ステロイドの処方量がとうとう0になり無事に治療が終わりました。未だに原因不明とはいえ、その頃は肉体的にも精神的にも疲れていた時期でした。その疲労が今回の発症と無関係だったとは考えにくいなぁと思ってます。なんせ再発がなくて良かったです。

受診した病院をまとめると
自宅近くの皮膚科①
自宅近くの皮膚科②
職場近くの内科
自宅近くの医科大学病院(精密検査→病名判明→容態が変わって救急外来)
実家近くの総合病院(速攻でパス)
職場近くの大学付属病院(入院+月1回の通院治療)
……6か所も回ってたんだなぁ。

病気の予防とか対策方法はおそらくないんですが、今回医療保険に入ってたのは我ながらナイスでした。健康診断オールAの自分がまさか突然入院するなんて思ってもなかったので。
通院代・薬代含めた全額は無理でも、9日間の入院費くらいは回収できた記憶があります。なのでみんな、若くても健康でもとにかく保険に入ろう。月1000円くらいのプランもあるし、職場で加入できるやつだとおトクです。ぜひともご検討を。