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あなたの知らない全面ホロの世界

はじめまして、ポケモンカード旧裏面コレクターのせとうちレモンと申します。ポケモンカード旧裏面に関する考察などを投稿します。よろしくお願いします。早速ですが、皆さんはポケモンカード旧裏面の"全面ホロ"というカードの存在をご存じでしょうか?

(この記事を読むのにかかる時間は約10分です)

全面ホロとは?

 通常の★キラカードは、ポケモンのイラストが描かれたイラスト枠内の背景部分が光輝くようにホロ加工がされています。
(ホロ加工範囲:下記画像の赤色部分)

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 一方で、ポケモンのイラストが描かれた枠の外を含めたカード全体がホロ加工をされているカードが製造の過程で発生することがあり、このような加工をされているエラーカードを全面ホロと呼びます。
(ホロ加工範囲:下記画像の赤色部分)

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 "全面ホロ"以外にも、"全面キラ"や"全キラ"、"ホロ泣き"という呼ばれ方もあり、英語圏では"Holo Bleed"などの呼び方をされています。

全面ホロカードの魅力

 上で説明したように、全面ホロのカードはカード全体にホロ加工が施されていて、中には一見すると全く別のレアリティのカードかと勘違いしてしまうほどキラキラと光り輝く個体も存在します。個体によっては、強い光を当てたりカードの向きを傾けたりして少しだけ輝いて見える光り方の弱いものや、肉眼でもはっきりとホロ加工が確認できる光り方の強いものが存在します。

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 カードを傾けてみたり、見る角度を変えてみたりすることでカード全体がキラキラと輝きを放つ姿はとても魅力的で、まるでフルアートのポケモンカードのような風格があります。エリカのハクリューの全面ホロカードは、ハクリューのポーズ&白背景も相まって、わざの”ふぶき"をカード全体で表現しているようで個人的にかなり気に入っています。

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 通常のキラカードと比較して、全面ホロカードの割合は少ないものの、頑張って探せば見つけられるほど良いレアさもまた、全面ホロカードの魅力のひとつです。

 肉眼でぱっと見て全面ホロに見えないカードでも、条件を変えると強く光輝いて見える隠れ全面ホロカードも存在します。部屋を真っ暗にして、スマートフォンのライト等の強い光をカードに当てることで、カード全体が強くギラギラと輝く姿を現してくれます。

全面ホロカードコレクションの世界

 Twitterで全面ホロのコレクションが画像付きでツイートされているものをいくつかご紹介します。こちらにツイートを掲載したことで、投稿者の方にご不快な思いをさせてしまいましたら申し訳ございません。速やかに掲載削除いたしますのでご連絡下さい。

全ての旧裏面カードに全面ホロは存在する?

 結論から言うと、答えは不明です。全面ホロのカードが生まれる理由については考察を後述しますが、全面ホロのカードが見つかりやすい弾と見つかりにくい弾は存在します。私個人が集めている中での体感になりますが、全面ホロのカードが見つかりやすい弾は下記のイメージです。

化石の秘密>>ポケモンジャングル=ジム拡張(リーダーズスタジアム、闇からの挑戦)>第1弾=ロケット団=闇、そして光へ…>その他neoシリーズ

 間違いなく、化石の秘密は全面ホロのカードが見つけやすいので、これから全面ホロのカードを集めようと考えている方は、化石の秘密のカードから探し始めると吉です。また、化石の秘密シリーズには光り方の強い全面ホロカードも割合が多いと感じています。

※旧裏面カードではありませんが、カードeシリーズや20th Anniversaryパックのキラカードにも全面ホロのカードは存在するようです。

全面ホロカードはなぜ存在する?

 全面ホロのカードは何故存在するのか?を考察する前に、そもそもポケモンカードはどのように印刷されるか?ということから考えてみようと思います。私は印刷分野の関係者ではないので、見当違いなことや間違ったことを書いてしまっている可能性があります。もし指摘などありましたらコメントを頂けると嬉しいです。

旧裏面キラカードの印刷方法

公式から正式に情報が出されている訳ではありませんが、調べた範囲で得られた情報を統合すると、旧裏面カードは和多田印刷(株)で1シート64枚で印刷され、任天堂 宇治小倉工場に運んで裁断・パック詰めして出荷されていたようです。 出典:任天堂マガジン 99年8月号

 和多田印刷(株)で印刷された1シート64枚の未裁断カードはアンカットシートと呼ばれ、過去に何度か出回ったことがあります。今回はこのアンカットシートを参考に印刷方法について考察を進めたいと思います。

 アンカットシートの画像は載せられないので、こちらのヤフオクや、2017年に秋葉原チェルモに入荷した際の下記ツイートをご覧ください。

 また、旧裏面キラカードの印刷方法を考察するうえで非常に参考になるのが、下記のホイルずれピクシーのPSA鑑定品の画像です。

 ピクシーと同じ形の白い影がピクシー本体の上方に数cmずれるような形で印刷されていて、まるでピクシーが幽体離脱しているように見えて面白いのですが、これらの画像から、ホロ加工が施されたベースとなる紙に対して後述する白打ち(白版)を使った印刷がされていることがわかります。

旧裏面ポケモンカードの構造

 ここで旧裏面ポケモンカードの構造について考えてみます。カードの構造は大きく分けて4つの階層からなると考えられます。

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第1階層:マット紙
ポケモンカードのベースとなる部分で、おそらくノーマルカードはこの第1階層のみの構成で、ここに直接印刷が施されることになります。

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第2階層:ホログラムシート
キラカードの命とも言えるホログラム加工の模様が印刷されたシートです。第1階層のマット紙全体にホログラム加工を追加します。

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第3階層:白打ち(白版)
キラカードには、ホログラム加工を施したい部分(イラスト枠内の背景)とホログラム加工を施したくない部分(ポケモンのイラスト部分+イラスト枠外)があります。ホログラム加工を施したくない部分を目隠しするために、この白打ち(白版)と言われる階層を追加します。

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第4階層:PP加工フィルム
ポケモンカードの表面のイラストが印刷された半透明なPPフィルムの階層です。第3階層の白打ち(白版)とぴったり重なるように貼り付けると、白打ちされていない部分にだけホログラムの加工が浮かび上がるようになります。

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全面ホロカードが出来る理由

 これまでに説明した内容から全面ホロのカードが存在する理由を考察してみます。ポケモンカードの構造を踏まえて、全面ホロのカードのカードが出来たり出来なかったりする要因を考えてみると、第3階層の白打ち(白版)がカギになってくるのではないか?と予想が出来ます。印刷上の不具合によって第3階層の印刷が薄くなったとき、第2階層のホログラム加工が浮かび上がり、カード全体が光輝く全面ホロカードが生まれてしまうのだと思います。この第3階層の印刷の厚みが大幅に薄いとき、強く光る全面ホロ、やや薄いときには弱く光る全面ホロになるのではないかと考えられます。

 ここで、他の説についても検証してみます。全面ホロカードができる可能性として、カードの経年劣化により全面ホロ化するのでは?という説もあります。この説については、比較的新しい20th Anniversaryパックでも全面ホロカードの存在が確認されている為、信憑性は低いのでは?と考えられます。発売当時にカードを購入してパックから全面ホロのカードが出てきたという証言などがありましたら教えて頂けると嬉しいです。

 また、これまでに確認されている全面ホロのカードは、光り方はカード全体で均一になっているものがほとんどであり、カードの一部分のみが全面ホロになっているものは確認されていません。熱や紫外線等の外的要因によるものであれば、ムラが発生してカード全体が均一的に全面ホロ化することは考えにくいのではないかと思います。

 以上のことから、全面ホロのカードは印刷工程で発生した不具合(第3階層の印刷が薄くなる)により誕生したエラーカードではないかと推測します。

全面ホロのカードはPSA鑑定できない!?

 全面ホロのカードはPSA鑑定に提出しても"Factory Error"として鑑定されずに返却されてしまうという報告が2020年頃から出てきていました。そのような中、2021年9月にPSA公式ブログにて、全面ホロのカードの鑑定受付を再開する旨の発表がありました。そのため、2021年11月現在では、通常のカードと同様にPSAに鑑定を依頼してグレーディングを評価して貰えます。

おわりに

 旧裏面の全面ホロのカードは、画像では魅力が伝わりにくく、一般の注目度も初版などのカードと比較すると低い為、店舗で比較的安価に見つけることができます。一度手にすると、カード全体が輝く美しさに魅了されること間違いなしです。このNoteを読んでいただき、全面ホロのカードに興味を持っていただけた方は是非とも探して手に取って頂けると嬉しいです。

次回予告

 次回は「あなたの知らない旧裏面 初版カードの世界」をお送りします。お楽しみに…!











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