私のビジュアルランゲージという思考回路
月に1度の期間限定オンラインショップ、今月のテーマは「月の雨」。
テーマや作品、メインビジュアルを決めていく舞台裏を記録しておきたいと思います。日々、ビジュアルランゲージを起点に感性を豊かにすることを目指して制作しています。
ちょっと飛躍した思考の話になってしまいましたが、感覚で理解する旅、どうかお楽しみください。
テーマが先か、作品が先か。
私はテーマに結びつくきっかけとなる1つ目の作品に関して言うと、言葉より作品が先にできあがることが多いです。
まず時節の要素を思い浮かべます。5月のオンラインショップのオープンデイは月の後半になるから、お届けは6月になるなと思えば、自然と「雨」や「水」がキーワードになる予感がしました。
そんなことをぼんやり頭の片隅に置きながら、様々な素材をじっと見つめてつくりだした最初のビジュアルがこちら。
「雨」から「傘」、「水」から「水たまり」がビジュアルとなって現われました。こういったキーワードの変化はカメラを通して見つめていると起こります。インスタグラムがホームグラウンドなので、正方形の画角に合わせてスタイリングしていくことでストーリーが生まれるのです。
この水たまりは、布を染める際に色を調合するパレットを写しとってひとつひとつ制作しています。
このビジュアルを見ていて思いました。
この青だけでなく茶色や緑が入った水たまりに映りこんでいるのは、地球だろうなぁ。
ビジュアルが想起させるもの。
絵や音や映像、人の想像を掻き立てるものはたくさんありますが、私にとって静止画(絵)は言語に近い存在です。言葉で語らないからこそ、余白があるというか自由に想像が膨らんでいくことに楽しさを感じます。(自己紹介にも書いているので、よかったら)
今回の、地球を映す水たまりを見た瞬間、この水たまりは地球が反射しているのではなく、地球を映しながら降ってきたのだと思いました。うまく説明できなくて申し訳ないのですが、月から降ってくる雨が地上に辿り着くまでに、地球の多彩な色を水に取り込んできたのだと、想像したのです。
この思考回路はいつもとても不思議です。
でもそうやってストーリーのはしっこを掴んだら、そこから一気に作品イメージが広がり、染色や刺繍などの制作が加速します。
都会を通り過ぎる雨と、森を通り過ぎる雨ではきっと色は違うだろう。
誰かの涙も滲んでいるかもしれない。
このような感じでストーリーを紡ぐ言葉からメインビジュアルが決まっていきます。
想像は、想像のままで。
「月の雨」
小さな小さな器を持って、
月から降る雨を受けとりに。
テーマが決まると、必ずストーリーも紡ぎます。ビジュアルランゲージはとても思考を自由にしますが、一人歩きしていってしまうものでもあります。私がイメージする断片を添えることで想像を分けっこできたらと思っています。
今回は、地球を映した水を拾い集めたいと思いました。そして、それはとても美しいものだから集めたらきっと飾るだろう、と。
もともと、今回から「装う(アクセサリー)」と「飾る(インテリア)」を融合させた作品にしたいと思っていたので、月の雨を器で集めるという話が繋がったのだと思います。
こうしてだんだんと世界がまとまり、メインビジュアルができあがりました。
月に見立てたアンティークのプレートに水たまりをモチーフに丸や本物の水を配置。雨を溜めた器にアクセサリーを飾りました。
実際にこのガラス瓶とアクセサリーはセットで販売しています。
感性で旅をする。
私にとって世界観というものはとても大切なものです。
ただ、よくわからなかったと思います。
でも、何かを感じていただけたのではないかと思っています。
私は「感覚で理解する」という感性こそ、世界を事実以上に豊かなものにしてくれると思っています。
感性には正解がなく、人それぞれ自由なものです。
「きれい」「好き」「違うかも」など何でもいいので心に感情が浮かんだとしたら、それをぜひ意識してみていただきたいのです。
もしかしてこうなのかも、という発見やもっと知りたいという気持ち、または似た感情が浮かぶ他のシーンに思考を巡らせてもおもしろいかもしれません。
そんな感性を豊かにするような、心で旅するひとときをこれからもつくっていけたらなぁと思っています。
よかったら、インスタグラムと期間限定オンラインショップ(~6/4まで)覗いてみていただけるとうれしいです!
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