あの夜に揺れたら

終電間近の電車に乗ると車両は程よく空いていた。
月曜の夜は流石に足早に家へ帰っているものなのだろうなと思いながら座席に座る。


座席の中で一番好きなポジション(赤丸・赤矢印位置)にしっかりと座れた。

次の停車駅に到着。
乗ってくる人はやはり少なかったが数人乗ってきた。
インドの方かなと思われる女性が私の隣に座る。


赤丸・赤矢印の位置へ。

しばらくするとその女性はウトウトし始めて横に揺れ始めた。
このままいくと肩に寄りかかられるなぁと思いながら電車のどこかを見つめながら僕は電車に揺られていた。
すると予想通りその女性は僕の肩に寄りかかったのだった。
すぐには起きることなくまぁ仕方ないかとしばらくそのままに。
すぐ次の停車駅に到着。そのタイミングで目覚めた女性。
ハッとしてこちらを見た感じがしたのでこちらもちらりと見ると
「 アー、ゴメンナサイ コレダト オモッチャッタ」
と手を"コレ"にかざしたのだった。


思わず「こっちですか!?(赤丸・赤矢印多数)」


「こっち(赤丸)ではなくてですか!?」と言ってしまう。
「アハハハハ」とその方。
そんなに細くはないだろう僕の腕から肩。

ほんの少し会話を続けてしばらくすると彼女はまたうつらうつらとしていった。次はもう肩に寄りかかられることはなかった。
もう細いパイプは必要ない。

僕が降りる駅に到着。隣で目がさめる彼女。
「アァ…オリレナカッタ…」と呟く彼女。
どうやら一個前の駅で降りたかったようだ。
僕も彼女も席を立つ。電車から降りながら「大丈夫なんですか?」と聞くと
まだ上りの電車はあるようで「モドル」と答えてくれる。
「お気をつけて〜」と言葉を返して別れたのだった。

ちなみに自分は電車でウトウトしてしまうと前後に揺れて最終的に後ろの窓にガンッと頭を打ち付けて大きな音を鳴らす一番恥ずかしいタイプの寝方をしてしまいます。

頬(赤丸)。


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瀬戸口俊介
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