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「ワンダーウォール 劇場版」をバスに乗って

数ヶ月ぶりに映画館へ。
観たい映画のスケジュールが僕の堕落した1日の予定のくせして合わなくて夜の時間帯しか合わなかった。新宿または渋谷でも観れたけどせっかくならと近くて遠い場所の映画館へバスに乗って向かった。
馴染みのない路線のバスに乗るとなんだか不安感というか寂しさってないですか?いや、あることでしょうきっと。
馴染みのない路線の電車にも乗り換えて着いたその映画館は小さな駅の改札を抜けて少し歩いた程よい大きさのイオンの中にあった。
平日とは言え人がまったくいないシネコンだった。
購入する際座席は1つずつ空いている仕様。
映画館の空調はすごいらしく、映画館こそ1番安全な場所にも思えた。

観たかった映画は「ワンダーウォール 劇場版」。
はじまると主人公の1人の男の子がバイト先からバスに乗って帰るシーンからはじまる。また見知らぬ路線のバスにここでも乗れた。

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「ワンダーウォール 劇場版」は元々NHK(BSだったかな?)で放送された60分ほどのテレビドラマだ。放送後話題になり再放送を繰り返し、写真展やトークイベントなどいろいろな広がりを観せた作品。
再放送の度に「観なくては」と思っていたのに堕落した1日しか送れない僕は全てのチャンスを逃していた。そんな時に劇場版として映画館で公開されるとなり楽しみにしていたのだ。

舞台は京都の大学の歴史ある学生寮「近衛寮」。
そんな学生寮の建て替えをしたい大学側とそれに抗う学生たちの話。

マサラという一番年下の男の子が一番熱くなっていく。元々寮への愛だったものが徐々に活動自体にアツくなっていっているようで観ていてグラついた。最初の方で可愛がっていたアレを感情が高ぶった時に「嫌いだ」と叫んだから。若さゆえの怖さみたいなのを感じて怖かったなぁ。

大事な場所がなくなっていくことに対して抵抗したり、悲しんだりするところをSNSを見れば幾度となく見る数ヶ月だった。
答えをすぐには出せないことだらけで、なんとも言えないのだけど端から見れば無くなっても問題なさそうな場所もその人にとってはすごい大事な場所だったりする。場所じゃなくても人や物だった同じことだ。
そこをちゃんと理解した上で壁を作らず人と向かい合いたいものですねって書こうとしたわけですが、人と壁を作りまくって生きている僕が言えることか?と大苦笑い。がっはははははは。

それにしても、渡辺あやさんの脚本はすんばらしくて役者さんも皆様素敵でいい映画すぎました。寮内の混沌も魅力的。住みたいかと聞かれれば即答はできませんが1日くらいなら居たい。
帰り道がご機嫌でついつい歩いてしまう映画こそいい映画。
夜風も気持ちよかった。
パンフレットを買い忘れたのでまた観に行こうかな。

馴染みのないバス、電車、街、映画館、夜風とすべて込み込みで最高の映画でした。

サポートされて嬉しくない人はいないと聞きます。 お気持ちありがとうございます。 僕は何かでお返しできるでしょうか?