G Suite Legacy を脱出しました
はじめに
かつて Google Apps というものがあり、自分が持っているドメインで Gmail や Google Docs など Google の各種サービスが無料で使えるというものがありました。その後、細かい順序は覚えていませんが、教育機関で使えるようになったり企業で使えるようになったり、各ドメインで払い出せる無料ユーザー数が限られたり、名前が G Suite となったり Google Workspace に変わったりということを経て、ついに2022年7月1日からは無料では使えなくなるということです。
本記事では無料で使えた当該サービスを G Suite Legacy と呼び、脱却までにしたことを記します。
環境
レジストラ : Value Domain
ドメイン : 汎用 JP ドメイン 2つ
G Suite Legacy の用途 : 個人の仕事用メールアドレス・家族用のメールアドレス
特に妻と僕の両方で受信したいメール用にひとつグループを作成しており、それは非常に重要
このグループのアドレスは子供の学校からの連絡を受けたり家関係の手続きに使っている
ドメインのその他の用途 : ブログやちょっとしたウェブアプリに
当初想定した脱出プラン
メールを AWS の SES で受信し、 Lambda で普段使っている Gmail などに転送することを考え、具体的にはクラスメソッドさんのSESで受信したメールをLambdaで別の宛先に転送してみたを参考に作業を進めていました。
SES によるメール受信には対応していない東京リージョンで途中まで設定を行ってあらためてオレゴンリージョンでやり直したり、メールの転送先は1つではないので Lambda のスクリプトがちょっと混み入ったものになるなあなどと考えている内にこれはオーバーエンジニアリングなのではないかと思い始め路線を変更することにしました。
結局こうして脱出した
Value Domain にはそもそもメール転送設定というものが用意されているのですが、残念ながら汎用 JP ドメインではこれは利用できないということです。なんでなんでしょうか。
一方で Value Domain を運営する GMO は XREA というレンタルサーバーのサービスも行なっていて、そちらでメール転送もできそうなのでそちらを使うことにしました。以下に具体的な手順を書いておきます。
XREAの取得
細かい操作を忘れてしまったけど XREA(無料) を取得しました。
DNS情報/URL転送の設定
Value Domain で各ドメインの設定を行う画面の DNS情報/URL転送の設定 をクリックし、 当サービス内サーバーの自動DNS設定 から取得した XREA のものを選んで保存します。そうすると、レコードの内容が以下のようになるかと思います。
a * xxx.xxx.xxx.xxx
mx @ 10
txt @ v=spf1 ip4:xxx.xxx.xxx.xxx -all
DNS レコードの確認
dig コマンドや nslookup コマンドを使って然るべき内容になっているかを確認します。
XREA のドメイン設定
XREA にログインして左側のドメイン設定をクリックし、右側ペインでドメイン設定の新規作成ボタンをクリックし、DNS情報/URL転送の設定で設定したドメインを入力します。
メールの転送設定
XREA で左側のメールをクリックし、右側ペインでメールの新規作成をクリックし、メールアドレスごとの設定を入力します。具体的に入力する項目は以下です。
メールアドレス : 受信するメールアドレスを入力
パスワード : 転送が目的なのでランダムなパスワードを使うにチェックを入れ、適当な値で埋める
受信方法 : 転送にチェック
メールボックス容量 : 全て転送するのでほとんどなくても良いような気もするけど上限の 10000 MB にしておきます
転送先メールアドレス : 複数のメールアドレスに向けて転送する場合はカンマ区切りで
自動返信 : デフォルトままでしない
フィルター : デフォルトままでどこにもチェックを入れない
オプション : デフォルトままでチェックしない
動作確認
各種転送設定を行なったアドレス宛にメールを送ってみて、期待した通りに届くことを確認しました。
おわりに
G Suite Legacy は良い感じに受けるためだけに使っていたのですが、その必要性がなくなったので、しばらく運用してみて問題が無さそうだったらあらためて G Suite Legacy の解約手続きをしようと思います。多分切り戻す事態にはならないと思うけど、そうなったら MX などをあらためて Google Workspace に向け直し、諦めてお金を払うことになるでしょう。