今月のせとかわvol.7 暮らしている街の魅力を探すということ
「自分たちの暮らしている街の魅力ってなんですか?」
そう聞かれたら、あなたならどんなふうに答えますか?
私たち「瀬戸内かわいい部」は、瀬戸内の魅力的なモノ・コトを、「かわいい」という観点から探し・伝え・育てることを目的とした、ゆるやかなコミュニティ。
そんな「せとかわ」の視点で、自分たちが暮らす街の魅力を見つけるお手伝いをする機会をいただきました。
今回の書き手:まみこ
久々のイベント登壇
2月13日に開催された、香川県多度津町まねきねこ課が主催する、街がもっと好きになるセミナー「#瀬戸内まねこ会」。瀬戸内かわいい部もゲストとして参加させていただきました。
\どういう内容のセミナーなの?/
2017年から発足した地域の魅力を発信し作っていく「多度津町まねきねこ課」。こんな時だからこそ、多度津の魅力を伝え続けたい。
「学ぶ」とは「真似ぶ(まねぶ)」と言います◎ 今回は、それぞれの分野や地域で活躍するゲストを多度津町に「お招き」して、楽しくタウンプロモーションやSNSやYouTubeでの地域情報発信を学んでいきます!
(みなみさんnoteより抜粋)
このセミナーの応援団長は瀬戸内サニー。(社長であるサニーさんの場の回し力はさすがでした!)瀬戸内から世の中を面白く照らし、かろやかな社会をつくろうと、YoutubeやSNSを中心にさまざまなコンテンツ発信をしながら活躍をされています。
(かろやかにトークを回すサニーさん)
そして今回、開催場所となったのは多度津の街中にある「まことPLAZA」。ここは廃墟となっていた寝具屋さんを、地域の方々が気軽に集える場所として復活させた場所。
中の壁一面には、香川県出身のアーティストももえさんが一週間かけて描いた絵が壁一面に広がります。
そんなあったかい場所で始まった今回のイベント。前半は、私たち瀬戸内かわいい部の思う自分たちが暮らしている街の魅力の見つけ方、コミュニティ運営の方法、せとかわデニムプロジェクトを通して見えたもの、私たちがコミュニティを通して生まれた想いをぎゅぎゅっと詰めてトークをさせていただきました。(我らがみなみさんのスライド内容とトーク力に感動!)
後半は、せとかわイズムをインストール(笑)していただいた参加者の方々と多度津の街をフォトウォーク。
実は、セミナー参加者の方々には事前に宿題をお願いしていました。
お題は、
<この街に眠る「かわいい」のカケラを教えて!>
というもの。
皆さんには前半戦でそれぞれ発表をしてもらうことに。
私たちは多度津という場所と深く関わったことがなかったので、街の魅力を知りたい、そしてセミナーを受講する前と後での視点の変化を実感してもらいたいという想いがありました。
高校生から大人まで30人近くの参加者の方々からの回答は、やさしい気持ちになれるものから、「なるほど!そんな視点もあったのかー!」と思わせてくれるものまでさまざま。
多度津の街をもっと知りたいという欲を掻き立ててくれるものばかりで、私たちも参加者の皆さんとともに意気揚々とフォトウォークに繰り出しました。
暮らす街に眠る「かわいい」が浮かび上がった、フォトウォーク
多度津という街は多くの歴史的建造物や逸話とともに、昔ながらの景観が随所に残されている魅力的な場所。でも住民の皆さんにとっては、いつも通っている道であり、小さな頃から変わらない景色。
そこに魅力を見つけるというのは、小さなアンテナをはっておくことが大切だと思っていて。
そうしていくうちふわっと街の魅力が浮かび上がって見えてくるんですよね。
フォトウォーク中、だんだんと「こんなものあったんだ」「これは知らなかった」「これはかわいいかも」などという声が聞こえ始めたんです。あぁ、浮かび上がってきているなぁってちょっと嬉しく思っていました。
多度津高校の写真部のメンバーも参加してくださっていたのですが、このイベントを積極的に楽しんでくれている姿が印象的でした。
(「この姿が一番かわいい!」と男子高校生に向けてシャッターを切りまくっていたのは内緒のお話。)
ちなみに、せとかわの思う「かわいい」とは、素敵だな、いとしいな、誰かに語りたいな、という想いがあるということ。
今いる場所をどんなメガネをかけて見てみるのか。ほんの少しそこを意識するだけで、慣れ親しんだ場所がちょっと違って見えてくるから不思議なものです。
多度津町 まねきねこ課
2017年から発足した、町民と多度津町職員が一緒になって、地域の魅力を発信し、作っていく「多度津町 まねきねこ課」。
若い子たちは知らないかもしれないので説明しよう!今回のセミナーの主催をしてるのは「多度津町まねきねこ課」という多度津町の職員さんと町民が一緒になって町のことを伝えたり、イベントをして魅力発信をしてる団体。
(瀬戸内サニー編集部より)
まねきねこ課というネーミングがもうかわいい。(笑)でも、名前とは裏腹?に、そこに関わる方々のタウンプロモーションにかける熱量が高く、多度津に対するあったかい想いに溢れていました。
以前は若い人が街を歩いていると、あれ?と振り向かれるくらい違和感のようなものがあったそう。
今は、観光地として話題になるような場所(※)も増え、若い人を見かけることが増えたというお話も印象的でした。
(※)今回、清水温泉とてつがく屋さんに伺いました。
(清水温泉という名のカフェ↓。当時のまま銭湯の姿が残されていて、連日予約でいっぱいだそう。おすすめはハンバーグランチ!)
(多度津町の元信用金庫建物につくられた雑貨店兼カフェ、てつがく屋↓。独特の世界観と美味しいコーヒー。どこを切り取っても素敵な空間です)
そして私たちと同じようにコミュニティを運営する、まねきねこ課の皆さん。
これまでやってきたことやちょっとした企画運営の踏み込んだお話などを伺うことで再確認した、「自分たちが暮らす街の魅力を伝えたいという想いは同じ」ということ。
今後、せとかわ✖️多度津で何か関わりを持てたら素敵だなぁなんて思っています。(野望)
質問にお答えします!
今回、このセミナーの最後に、みなさんからたくさんの質問をいただきました。この場を使って、いくつか返答させていただきたいと思います。
Q.児島デニムとせとかわの出会いは?
A.瀬戸内かわいい部のイベントに参加してくださった方が、ITONAMIの島田さんを紹介してくださったのがきっかけです。それまで「児島といえばデニム」となんとなくのイメージでしか無かったものが、島田さんとお話するうちにその背後にある生産者さんや高い技術の存在を知り「もっと知りたい」と思うようになりました。
Q.活動を継続するための収入源は?(デニム?会費?個人支出?スポンサー?)
A.プロジェクトの立上げ時に集めた会費と、商品の売上やイベントの参加費で成り立っています。けっして収益があがるプロジェクトではありませんが、関係者の負担にならないように赤字が出ないようにやりくりしながら進めています。
※交通費や打ち合わせのためのカフェ代などはそれぞれが自分でお支払いするようにしています。
Q.統一したかわいいの基準はなんですか?
A.はっきりとした言葉にするのがむずかしいのですが、なんとなく共通しているのは「やさしさやぬくもりを感じるもの・物語を感じるもの」です。そのものの背景にあるストーリーや人のことを想像して「いとしいな」と感じられるものが、せとかわの「かわいい」だと思っています。
Q.せとかわデニムプロジェクトの中で1番大変だったことは?
A.それぞれの役割ごとに「これは大変だった!」と2時間は語れるエピソードがあります(笑)特に、上の質問とも重なりますが「かわいい」のイメージや、最後にめざすゴールを共有するのには時間がかかりました。でもそれができたからこそ最後まで一丸となって駆け抜けて行けたのだと思います。
あとは、運営の立場でいうとコミュニケーション量が想像以上でした!毎日3時間はプロジェクトメンバーと話してたんじゃないかな(笑)でもお話すればするほど新しいアイデアが湧いてくるのが楽しくて、ついつい盛り上がって話し込んでしまってたというのが実態です。
Q.今後ビジネス展開する予定はありますか?楽しいが起業の原点だと思うので
A.うーん。このテーマ、よく持ち上がって、いつも悩みます!挑戦してみたいという気持ちはみんな心のどこかに持っていそうだなぁ、と感じてます。でも、今のところ予定はしていません。仕事にすると、そこにかける時間がぐんと増え、「仕事でもなく単なる趣味でもない、瀬戸内かわいい部っていうかたちだからこそ参加できる」といってくれる人たちが参加できなくなってしまうな…と思ったからです。
でも、いつか「この子(デニプロ)のことは私が育ててみせる!」と決意した誰かが、せとかわという場所から卒業してさらなる挑戦にいどんでいく未来がきたら、それはとても素敵だなと思います。
Q.今までで見つけた1番のかわいいは?
A.せとかわでは、「いとおしい」「人についつい教えたくなる」たくさんの瀬戸内の「かわいい」を見つけています。まだ、1番と順番つけることは難しいですが、瀬戸内かわいい部のメンバーをはじめ、SNSで一緒に「#せとかわ」タグをつけてくださる方々ともっともっと「瀬戸内のかわいい」を見つけて、いつか1番と思うかわいいを見つけられたらと思っています。
Q.デニムの良さは?
A.これはせとかわデニムプロジェクトで常に言い続けてきたことなのですが、アクティブさや使えば使うほど馴染んでくる相棒感だと思っています。いつも履いているデニムパンツを想像してみると、どんな時でも抵抗なく履ける丈夫な素材感、使えば使うほど柔らかくそして自分に寄り添う形にクタっと馴染んでくるあの感じ。気がつけば生活の中で頼りにしている自分の相棒となっていませんか?特別ではない特別感。まさにそこがデニムの良さではないでしょうか。
Q.今は16人に増えたとあったけど目指せ何人とかありますか?
A.特に人数に目標を設定しているわけではありません。瀬戸内かわいい部は、もっと瀬戸内の「かわいい」と出会いたい。もっと瀬戸内の「かわいい」を伝えたい。もっと瀬戸内の「かわいい」を育てたい。そんな方々と出会うために生まれました。
常に考えているのは、「瀬戸内が大好き!」、「瀬戸内のかわいいをもっと伝えたい!」「瀬戸内のかわいいを作りたい!」そんな想いをもった人がもっともっと集まったらどんな素敵な未来が待っているのだろうということ。瀬戸内に住んでいてよかった、瀬戸内と関わってよかった、そんな人がこれから増え続けていけば幸せだなぁと思います。
瀬戸内まねこ会というイベントを終えて
準備段階からとても楽しみにしていた瀬戸内まねこ会。私たちの活動や自分たちの暮らす街の魅力を発見するお手伝いをしに行ったのですが、逆に多度津の魅力に取り憑かれたような、何か一つの旅を終えたような気持ちです。
そして、最近よく聞く「地方の活性化」という言葉。
瀬戸内の魅力をかわいいという視点から発信しよう!とコミュニティを運営している私たちにとっても身近に感じるワードです。
でも、活性させるってなんだろうって思うんですよね。その場所をもっと良くしていくこと?
個人的には、「アンテナを張ってキャッチした魅力をみんなに伝え続けること」と、捉えることの方がしっくりくるなぁなんて思っています。
多度津を含め、瀬戸内にはまだまだ眠っている魅力がいっぱいです。今回そのことに改めて気がつきました。
私たちのかわいいを探す旅はこれからも続きます。
Photo by 瀬戸内かわいい部