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舞鶴紀行 2023年12月7日


1.はじめに

京都駅から在来線の特急「まいづる」に乗車して北上すること1時間40分。冬の日本海に臨む舞鶴市は、分厚い雲に覆われていた。
舞鶴市は、人口7万8千人、人口ランキングで京都府内6位の都市だ。沿岸部は、日本海が深く入り込んだリアス式海岸であり、日本海の荒波が入り込まない天然の良港を有する北近畿の中核都市である。近年では、「国際海上コンテナ」「国際フェリー・RORO船」「外航クルーズ」の機能において日本海側拠点港に選定されている。また、海上自衛隊や海上保安庁の重要拠点も設置されているため、国防や海の安全の機能も兼ね備えている。さらに、エネルギー面でも関西電力舞鶴火力発電所と隣接する高浜町の高浜原子力発電所を合わせてエネルギー供給拠点となっている。
今回は、2023年12月7〜8日に舞鶴で見学した市街地の西舞鶴・東舞鶴エリア、ユネスコ世界記憶遺産のシベリア抑留・引揚(舞鶴引揚記念館)を中心に2編に分けて紹介したい。

2.西舞鶴と東舞鶴

舞鶴市の中心エリアは、西舞鶴と東舞鶴に分かれている。西舞鶴は、舞鶴が発展したはじまりの地である。田辺城の城下町として栄え、今でも昔の町並みが感じられる。一方、東舞鶴は明治に海軍の鎮守府が設置されたのを機に軍港として発展した新しい町である。
西舞鶴と東舞鶴はもともと別の自治体であったが、1943年に海軍施設が東舞鶴(東舞鶴市)から西舞鶴(旧舞鶴市)へ拡大されていた流れの中で合併した(合併直後は、東西で住民感情の対立が激しかったようである。1950年に、西舞鶴側から再分離案が出され、住民投票で過半数の賛同を得たものの、府議会で否決された経緯がある)。

(西舞鶴と東舞鶴と舞鶴湾 筆者作成)

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