楽描き「きれいになりたい」
別に、ケイトモスに
なりたいわけじゃないの
筋肉のついた細い足
まっすぐ割れた腹筋
それでいてチャーミングなからだ
そんな風になりたいわけじゃないの
高望みだってわかっているから
それなのに、ジムで汗をかく
重い鉄を抱きしめて
膝を曲げたり伸ばしたり
動かない窓の景色を前に
ハムスターみたいに走る
別に、ケイトモスに
なりたいわけじゃないの
だけど
きれいになりたい
1ミリでも
きれいに近づきたい
高校の廊下ですれ違った
マドンナは振り返りもせずに
自信あふれるあの背中を
全校生徒に見せつけていた
大学の綺麗な先輩は
みんなの恋バナを聞きながら
どこかいつも余裕があって
いつもどこかを見ていた
ケイトモスにはなれないけれど
マドンナみたいに
綺麗な先輩みたいに
振り返らずに、余裕をもった
女になりたいだけ
きれいになりたいだけなの