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第100回:お絵描きノート:#合成モード:消去


図1:「鳳凰(ほうおう)」北斎漫画 第二編 p2(通常モードで作成して、レイヤーの合成モードを消去モードに変更する)
図2:合成モード:消去(その1):1.消しゴムツール


合成モード:消去(その2):2.描画ツールと消去モード



図4:消去モードとグラデーションとパターン


図5:消去モードとレイヤーの関係

KRITAデジタルペイントで始める

第100回:お絵描きノート:ブラシの編集:合成モード:⑨消去

口上

今回は合成モードの「消去」を解説と思います。消去モードは、単純に消すことだから、とても簡単でつまらないモードだと思っていました。しかし、よく調べてみますと、KRITAの消去モードは、Photoshopの消しゴムツールとは基本的設計概念が違っていて、かなり広範囲に他の描画ツールと組合せて活用できるので、「消去モード」の説明は長くなりますが、よろしくお付き合いください。

 まず、消去モードは、ブラシツールを初めとする描画ツール各種とレイヤー両方に機能を加えて描画を消去することが出来ます。

1.消しゴムツール:

(a) 消しゴムツール:

ブラシツール
▶ ブラシ見本:タグ名:デジタル/スケッチ/インク

・a) 消しゴム 丸大, Eraser Circle
・a) 消しゴム 角小, Eraser Small
・a) 消しゴム ソフト, Eraser Soft

2.描画ツール各種と消去モード

2.描画ツールと消去モードの組合せの使用例1:

1.ブラシツールを選択する。
2.☑消しゴムモードをONする。
3.描画ツールを選択する。

消去モード + (b)ブラシツール:

(例1)ブラシ見本 ▶ ペイント:①基本‐5 サイズ 不透明
・b) Basic-5 Size Opacity(筆跡どおりに描画を消せる)

(例2)ブラシ見本 ▶ テクスチャ:㉓スタンプ 木の葉
・z) Stamp Leaves(木の葉模様に描画を消せる)

消去モード + (c)直接ツール:

(例1)ブラシ見本 ▶ ペイント:①基本‐5 サイズ 不透明
・b) Basic-5 Size Opacity(筆跡どおりに描画を消せる)
*この例ではツールのオプションで角丸8pxにして、塗りの上に消去モードで線幅を変えて4つの線を描画している。

消去モード + (d)矩形ツール:

(例1)ブラシ見本 ▶ ペイント:①基本‐5 サイズ 不透明
・b) Basic-5 Size Opacity(筆跡どおりに描画を消せる)
*この例ではツールのオプションで線幅を8px、*塗りなしと**描画色で塗りつぶしで描画している。

消去モード + (e)楕円ツール:

(例1)ブラシ見本 ▶ ペイント:①基本‐5 サイズ 不透明
・b) Basic-5 Size Opacity(筆跡どおりに描画を消せる)
*この例ではツールのオプションで線幅を8px、*塗りなしと**描画色で塗りつぶしで塗りの上に消去モードで描画している。

消去モード + (f)多角形ツール:

(例1)ブラシ見本 ▶ ペイント:①基本‐5 サイズ 不透明
・b) Basic-5 Size Opacity(筆跡どおりに描画を消せる)
*この例ではツールのオプションで線幅を8px、*塗りなしと**描画色で塗りつぶしで塗りの上に消去モードで描画している。

消去モード + (g)折線ツール:

(例1)ブラシ見本 ▶ ペイント:①基本‐5 サイズ 不透明
・b) Basic-5 Size Opacity(筆跡どおりに描画を消せる)
*この例ではツールのオプションで線幅を8px、*塗りなしと**描画色で塗りつぶしで塗りの上に消去モードで描画している。

ツールのオプション

塗りつぶし:▼
・塗りつぶさない*
・描画色**
・背景色
・パターン

[過去の関連記事]


・第70回:KRITAのノート:#ブラシツール:消しゴムモード:ペイント①~➃:
消しゴムモードって何?(その1)
・第71回:KRITAのノート:#ブラシツール:消しゴムモード:ペイント⑦~⑪:消しゴムモードって何?(その2)
・第72回:KRITAのノート:#ブラシツール:消しゴムモード:ペイント⑫~⑲:消しゴムモードって何?(その3)

3.消去モードとグラデーションおよびパターン

(h)グラデーションツール + 消去モード

①(h)グラデーションの見本を左クリックする。
②グラデーションの種類を選択する。
③消去モードをONにする。
➃グラデーションツールを選択する。
⑤キャンバスの描画上をカーソールでグラデーションの方向と長さを指定して消す。

パターン:

(i)パターン + 消去モード

①(i)パターン見本を左クリックする。
②パターンを選択する。
③消去モードをONにする。
➃選択ツールで範囲を指定する。
⑤メニューバーから編集(E)を選択して、編集リストの中から[パターンで埋める(I)を選択する。

[過去の関連記事]

・第19回:お絵描きノート(7):カモン、家紋、かも寝む(その2)[カスタムパターンの登録方法]

4.レイヤーと消去モード

レイヤー

レイヤーの合成モード:
・オーバーレイ
・スクリーン
・ソフトライト(SVG)
・乗算
・比較(明)
・比較(暗)
・消去
・焼き込み
・色
・覆い焼き
・輝度
・通常
・除算
...

RGB12色と白黒の通常モードと消去モード:

レイヤー①:通常モード
・RGB12色と白と黒

レイヤー②:消去モード


・消去モードでは白くみえますが、実際には透明です。
・KRITAデジタルペイントがPNGファイルを作成する過程で、レイヤーを統合する時に透明範囲が黒色に塗りつぶされることがあります。
・透明範囲を透明のままPNGを作成するには、
(1) 消去モードのレイヤーを一つのレイヤーにする。
(2) アルファを分離して保存する。

[参考資料:KRITAのマニュアルから]


透過範囲の色情報を維持したまま PNG テクスチャを保存する方法。
通常、画像をファイルに保存すると画像の完全に透過な範囲はすべて黒色で塗りつぶされます。これは画像のレイヤーを統合する際に、Krita が効率化のために透過ピクセルの色データを捨てるからです。この色データ喪失を避けるには画像をどのマスクや効果も使わず1レイヤーのみにして画像の統合を避けるか、もしくは次の方法を使います:

レイヤードッカー上でレイヤーを mouseright します。

アルファを分離 ‣ アルファをマスクに を選びます。

作成したマスクを mouseright して アルファを分離 ‣ 統合して保存... を選びます。


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