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第106回:お絵描きノート:#ベクター図形:ベクター図形の描画ツール一覧:北斎漫画「清玄法師 堕落」
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第106回:お絵描きノート:#ベクター図形:ベクター図形の描画ツール一覧:北斎漫画「清玄法師 堕落」
口上
今回は北斎漫画の人物画「清玄法師 堕落」を取り上げて描いてみました。
この絵は、
1.破れ傘:和傘をベクター描画で作成してから、ペイント描画に変換してから破れた雰囲気を出す。
2.着物:桜の柄は別に画像作成して、パターンとして着物に入れる。
3.桜の花吹雪:数枚の桜の花びらを描いてからコピー&回転させて、オリジナルの雰囲気を再現する。
以上のような3つの要素で構成されていますが、全部一気に説明すると矢鱈に長くなりそうなので、今回は清玄法師の物語とベクター図形のための描画ツールを紹介だけにして、次回から1から3について順次投稿しようと思います。
ところで、清玄法師(せいげんほうし)を調べてみたらこの人物は歌舞伎の演目、鶴屋南北作「桜姫東文章(さくらひめあずまぶんしょう)」の登場人物の一人清玄阿闍梨だそうです。歌舞伎座のWebサイトによりますと、「桜姫東文章」の物語は以下の様になります。
最初は清水寺で修行する若い僧侶の物語でしたが、のちに舞台を鎌倉に移して若い僧侶と稚児の心中の物語が加えられています。
その物語の発端は鎌倉の建長寺広徳院の自久和尚(じきゅうおしょう)と鎌倉雪の下の相承院の稚児、白菊の二人は世が許さぬ仲になり江の島稚児が淵で心中を試みます。まず、白菊が海に身を沈めたその後に自久和尚はその後に続こうとしますが、急に怖気づき一歩踏み出す事ができずに一人生き残ってしまいます。そして、十七年の月日が流れてその生き残った若い和尚は出世します。名前も清玄阿闍梨と改めて時の将軍が帰依するほど高僧になります。しかし、そこに現われたのが桜姫です。実は彼女は白菊丸の生まれかわり姿だったのです。
このように破壊堕落した桜姫と清玄の物語が続きますが、歌舞伎の三幕目の場面で、鎌倉の稲瀬川の川原で清玄と桜姫が晒し物にされます。そして、破れ傘に破れ衣の清玄は桜姫が生み落とした赤子を抱きながら彷徨い歩くという場面があります。
それで、冒頭の絵「清玄法師 堕落」の図のオリジナルでは赤ん坊を抱いていないんですけれど、ここでは赤子を抱く清玄にしてみました。たぶん、北斎も河原崎座で「桜姫東文章」の歌舞伎を観ていたんじゃないかと想像しています。なにしろ、この演目の初演は文化14年(1817)とありますから同じ時代を生きていた北斎も人気の芝居を見逃すはずもないと思います。
ベクター図形の描画ツール一覧
①形状選択ツール
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②形状編集ツール
-[vl]
④矩形ツール(Ctrl+R)
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⑤多角形ツール
-[pl]/[vl]
⑥ベジェ曲線ツール
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⑧変形ツール(Ctrl+T)
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⑨切り抜きツール(C)
-[pl]/[vl]
⑭資料画像ツール
-[pl]/[vl]
⑲表示拡大縮小ツール
-[pl]/[vl]
⑳テキストツール
-[vl]
㉑カリグラフィー
-[vl]
㉒直線ツール
-[pl]/[vl]
㉓楕円ツール
(Shift+J) -[pl]/[vl]
㉔折線ツール
-[pl]/[vl]
㉕フリーハンドパスツール
-[pl]/[vl]
㉗レイヤーの移動
(T) -[pl]/[vl]
㉘色採取
(P) -[pl]/[vl]
㉛距離角度の計測ツール
-[pl]/[vl]
㉞近似色選択ツール
-[pl]/[vl]
㉟磁石付カーブツール
-[pl]/[vl]
㊱パンツール
-[pl]/[vl]
凡例:
[pl]=ペイント レイヤー用 Paint Layer
[vl]=ベクター レイヤー用 Vector Layer
()=ショートカットキー