No.08【配布前に先取り】 映画館での楽しみ方をいくつも教えてもらった話
こんにちは、天野です。
5月28日から配布予定の世田谷十八番No.08。
中面の先達インタビューはウクレレ奏者のMAKファミリー綱島真さん、裏面は下高井戸シネマの支配人さんへのインタビューを掲載します。
今回のnoteは、裏面・下高井戸シネマのこぼれ話をお届けしますね。
このインタビュー、我らがPRの光冨が映画好き、なんならこの下高井戸シネマをこよなく愛しているということで持ち上がった企画です。
さらに、Editor佐藤は下高井戸シネマでどうしても観たい映画があるという理由で、初めての十八番飲み会に遅れて参加したという強者。
そう、下高井戸シネマと世田谷十八番には浅からぬ縁があるのです。
そんなわけで。満を持して、支配人である木下陽香(はるか)さんにお話を伺いました。
「また来たい」となぜか思う
一連の話を聞いて強く思ったのは「とにかくここで映画を観てみたい!」
かくいう私、誘われたら映画館へ足を運ぶ程度。映画は好きですが、映画館で観る機会はもともと少なく、さらに子どもが産まれてからは映画館へ行こうと思ったことすらありません。
でも、なぜかここには「また来たい」と強く思わせてくれる不思議な魅力がありました。
なんでしょう。木下さんの言葉の端々から、並々ならぬ映画愛を感じたからかな。
テレビやパソコンやタブレットでも観られる映画を、あえて映画館で観る。
そのことにどれだけの価値があるかを知っていて、知っているからこそ伝えたい。
そのために何ができるか、何をしたらいいかを常に考え挑戦している。
そんな印象を受けました。
都心の映画館みたいなスタイリッシュさとは一線を画す、むしろレトロで昭和感漂う映画館。
けれど、新旧問わず真の名作を観てもらいたい気持ちは誰にも負けない。
そうした燦然たる思いと歴史に支えられている、静かに力強い場所のように思えたのです。
二番館って知っていますか
木下さんにお話を聴く中で、何度も出てきた言葉が二番館。
封切館での公開が終わった映画を上映する映画館のことを指すそうです。映画好きの方にとっては周知の言葉なのかもしれませんが、私は初めて聞きました。
下高井戸シネマは二番館なので、話題の新作をすぐに公開できるわけではありませんが、だからこそ見逃してしまった方々の『最後の砦』にもなる。
下高井戸シネマで観るためにあえてその映画を観ずに待ってくださる方々もいるそうです。もう二度と映画館で観られることはないと思っていた過去の名作が上映できるのも二番館ならでは。
映画に関する情報アップデートが極端に遅い私からすると、気付けば公開を終えていた映画や、面白いと噂で聞いた過去作品の上映が予定されていると、なんだか無性に嬉しくなる。
それに加えて、全然知らなかったけど惹かれる内容の映画があれば観てみたいと思う。
下高井戸シネマこだわりの手作りパンフレットを見ながら、「こんな映画があるんだ」と知ったり「どれを観に行こうかな」と考えたりするのが今の小さな喜びです。
何より私の目を引いたもの
インタビューの途中で目に入り、やたら気になってしまったのがレジ前に並ぶアイスモナカの文字。
何あれ、絶対食べたい。
『牛乳もなか』と『コーヒー牛乳もなか』って、気になる要素しかないじゃないですか。
パッケージのビジュアルも最高。
下高井戸シネマで購入できる食べ物はこのアイスモナカしかないのですが、これだけは昔からずっと置いてあるそうです。なんなら映画を観なくても、このモナカだけ食べに来ても良いとのこと!
えー、ほんとに?そうは言っても、映画館にモナカだけ食べに行くなんて気まずい。
そう思ったアナタ!安心してください。
私は本当にやってきました。観たい映画と自分のスケジュールがなかなか合わず悶々としていたとき、ふと思い立って娘を連れて行ったのです。
ロビーの一角にある椅子に座り、モナカを食べながら最新のパンフレットを観る。
「どの映画にしようかなぁ」と言いながら頬張るアイスモナカ。
しっとりした皮に甘さとなめらかさのバランスが完璧なミルクアイスが包まれている。
非日常なんだけどなんだか妙に懐かしい気持ちもして「あ、幸せってこういう時間のことなのかも」って、ふんわり温かい空気に包まれました。
敷居が高いと思われがちだけど、誰でもふらっと立ち寄れる場所にしたい。
これも木下さんの願いの1つだそうです。
あら、こんなすごいものが…
帰り際にふと目を奪われたものがもう1つ。
かの山田洋次監督の色紙です。
特にアピールされているわけでもなく、あまりにも自然に置いてあります。
だけど書いてある文章は熱く温かい。それを見て、なんだかジーンとしました。
これは下高井戸シネマさんに当てられたメッセージだけど、それに留まらず映画業界全体に向けての想いなんだろうなぁと。
そう考えると、場所も雰囲気も上映作品も異なる映画館でも気持ちは同じ。携わる全ての人が魂込めて製作した映画を大切に受け取って、1人でも多くの人にきちんと届ける。映画館とは、そんな使命を持って運営されている場所なんだなぁとしみじみ感じたわけです。
恥ずかしながら「映画はテレビでも観られる」と頭の片隅で思ってしまっていた私に、映画館で観るということの意味を根本から教えてもらったインタビューとなったのでした。
紙面には、ある日突然下高井戸シネマの支配人となった木下さんの想いや、私たちには知る由もなかった日々の業務やこだわりがたくさん詰まっています。
世田谷十八番No.08、是非お手に取ってお読みください!
下高井戸シネマにも立ち寄ってみてくださいね。
私は、次はコーヒー牛乳もなかを食べると決めています。
(もちろん映画も観ますよ!)
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