No.08【配布後のよもやま】 83歳ウクレレ奏者の話には、大切な続きがあった
こんにちは。天野です。
世田谷十八番No.08の配布が始まっております。どこかで見かけたら、お手に取っていただけたら嬉しいです。
さて、No.08でインタビューしたのは綱島真さん=通称MAK(マック)さんというウクレレ奏者の男性。
83歳でありながら、ウクレレ教室をいくつも掛け持ち、生徒さんも多数。
気持ちの良いお天気の日は、近所の公園でウクレレを奏で唄っています。
運命的な出会いをした日のこと
あれは、少し汗ばむようになってきた春の日の昼下がり。
馬事公苑に隣接したけやき広場でMAKさんを見つけたのが、十八番が誇るコミュニケーションディレクターであり、私の相棒ライターでもあるよしえさんでした。
どこまでも広がる青い空、美しい緑色の木々。爽やかな風を受けながら、全然爽やかではない唄を哀愁たっぷりにうたう1人の男性。
とにかく気になったよしえさんは、しばらく聴いていたそうです。長渕剛さんの『乾杯』が始まった辺りから横のベンチに座り、幼稚園児の娘さんと一緒にエッサヤッサと踊っていたとか。
すこぶる良いお天気の中、心地よい風に吹かれながらの『乾杯』
それに合わせて踊る親子。
いや、どんな光景よ。
とにもかくにも、こんな運命的な出会いを果たした私たち世田谷十八番は、No.08の先達としてMAKさんにインタビューさせてもらうこととなりました。
MAKさんの活動や経歴の詳細については、よしえさんが書いた配布前の記事や、紙面を手に取ってインタビューをお読みいただければと思います。
逆インタビューを申し込まれた
さて、なかなかに長くなりましたが、ここまでは前置きですよ。
今回私が書きたいのは、インタビューを終えて1ヶ月ほど経った頃のお話です。
十八番編集長から私の元へ「今からこの喫茶店に来られる?」と突然連絡がありました。
何事かと思えば「MAKさんから逆インタビューを申し込まれた」とのこと。
本当はよしえさんが来るはずだったけど、彼女はバレー部の試合と重なったから来られない。
1人でインタビューを受けようと固く決めていたけれど、直前で不安になったと。
成り行きの是非はさておき、いや、なんなら『おい、山田!(注:編集長のこと)』と心の中で突っ込みつつ。自転車を飛ばして、急遽逆インタビューに参戦することとなりました。
お話が大好き、伝えたいことも常に溢れているMAKさん。1つ話を聴いたら、それに対して10ぐらいのコメントが返ってくるわけなので、逆インタビューと言いながら、MAKさんのお話を聴くインタビュー続編みたいなことになりました。そして、この状況がまさに、編集長が不安を感じていた理由でもあるのですが。
とはいえ、83歳になっても若者に興味を持ち、どんなことを考えているのか知ろうとする姿勢って素晴らしいと思いませんか?
いつも元気で若々しく動き回る原動力は、こういうところにもあるのでしょう。
結局、それが一番大事
MAKさんのお話の中で私が一番印象的だったのが
「私に任せたら、赤字の現場を2年で完全に黒字にできる」というお話。
その答えはとてもシンプル、『大切なのは掃除、そして整理整頓』でした。
頭のどこかでそういう答えだろうとわかっていたのですが、なんだか頭にスパッと矢を射抜かれたみたいな感覚もありました。
MAKさんの話はこう続きます。
美しい状態・環境というのは、人の脳や心にも健やかな影響を与えるから、仕事中も休憩中も気分良く過ごせる。その結果、心地よく仕事ができてミスも減る。
とても単純なことだけど、結局はそういう基本をちゃんとできているかどうかが結果に大きく関わるのです。
それを聞いて私は思いました。
「それって、家にも同じことがいえるんじゃない?」と。
自分の中で突然スイッチが入った
家を黒字化するというと、家計のイメージだけど、そういうことではなく、もっと大きい意味で。
家や家族、何よりも自分自身を黒字化するするってすごく大切なことなんじゃないのかな、と思ったわけです。
なんていうんだろう、「人生を黒字化する」みたいなことでしょうか。
収入云々も大事だけれど、それ以上に、趣味とか心惹かれるものとか大切な人との関わりとか。そういうもので笑ったり泣いたり喜んだり落ち込んだりして自分の心や時間を使うことが、人生を黒字化しているってことになるのでは、と。
その必要条件となってくるのが、家の掃除であり整理整頓だ!と私の中で繋がっていったわけです。
家が健やか → 心も健やか → 人生の黒字化
そう思ったら突然スイッチが入り、MAKさんと会った翌日、猛烈に家の整頓をしました。
ここはどうしようもないと諦めていた、自分的最後の砦である物置と化していた部屋を。
いやー、爽快でしたね。やってしまえば、なんで今まで目を背けていたんだろうと不思議になるほど。自分の心の中に溜まっていたゴミの塊を、丸ごとポイっと捨てたみたいに気持ちよかったです。
家の中にあるいらないものを処分し整理すると、心の中にあるいらない感情も処分されて気持ちの整理もついて。
とても小さいかもしれないけれど、こうしたことも人生を黒字化する大切な要素のような気がしました。
『2年で黒字』のお話が私にこんなにも大きな影響を与えているとは、MAKさんは知る由もないと思いますが。
何気ない一言が思わぬところで花を咲かせることもある、ということを私自身も肝に銘じておこうと改めて思ったのでした。
自転車で颯爽と駆け抜けていくあの人は
この記事を書くために、よしえさんがMAKさんと出会った日の動画を改めて送ってもらったところ。
動画の中のMAKさんがこう仰っていました。
「人生最後になって考えるとね、全ての人にありがとうって言って死ねるのが一番幸せだって悟ったわけ」
きっとMAKさんは、今日もどこかでウクレレを弾いて唄をうたって、いっぱい本を読んで、たっくさんお喋りして、色んな人にありがとうと伝えているのでしょう。
そういえば昨日、若者と同じぐらいのスピードで颯爽と自転車を漕いでいる人を見かけたけど、多分あれMAKさんだな。
今度すれ違ったら呼び止めて、お礼を伝えよう。きっと、かなり長いおしゃべりタイムになるだろうけど。
その時には、編集長を呼び出そうっと。