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売上のプレッシャーから解放!客数を意識してイベント出店を楽しむコツ

最近、「マルシェ出店では出店料の10倍の売上を目指すべき」という話をよく耳にします。昔は私も気にしていましたが、今はあまりこだわらなくなりました。というのも、売上は最終的にはそのお店の商品の魅力次第だと思うからです。

例えば、ひとつ300円の商品を扱うお店もあれば、5,000円の商品を扱うお店もあります。同じ「売上」という基準で競争しても、商品や価格帯が異なれば比較になりません。その結果、「うちは売れない…」と感じて出店を諦めてしまう方もいます。

マルシェで成功するには、忍耐力が必要です。毎月、または数ヶ月に一度の出店で、売れない月も耐え抜いて、少しずつファンを増やすことが鍵です。出店してすぐに売れるお店は、SNSで評判が高かったり、すでに固定客がいる場合が多いです。

せたがやブレッドマーケットも、最初は右も左も分からない状態で出店し、出店料すら稼げない時期がありました。それでも、マルシェの魅力に引き込まれ、私自身もひとりの客として楽しんでいました。数年後には、他のお店とのつながりもでき、紹介でお客様が増えていくという流れが自然に生まれました。今では、売れなかった話もマルシェ仲間との飲み会で笑い話にできるようになりました。

それでも、当時「今日はひとつも売れない!」と思っていたお店が最後の最後で1つ売れて、結果的に数万円の売上になった時は、正直驚きました。

長く出店を続けて感じたのは、「客数」が一番大切だということです。売上額ではなく、一日に何人のお客様に商品を届けたいかという目標を持つことで、メニューや価格設定も自然に決まっていきました。

例えば、あるお店はひとりのお客様が購入してくれれば出店料を回収できます。商品を売らずに、ただお客様と話す時間を大切にしていたら、毎月そのお店に立ち寄るようになり、最終的に数万円する商品を購入していった、なんてエピソードもあります。その時、売ることよりも「誰に届けたいのか」を意識することが大切だと実感しました。

100店舗が出店する大規模なマルシェでは、来場者数が多いため、目標は120〜150組のお客様。新型コロナウイルスの流行前には、みんなが月イチの楽しみとしてマルシェに来てくれていました。家族連れから年配のご夫婦まで、幅広い客層に向けて、私は400個以上のパンを焼いていました。

子ども用のパンは小さめで手頃な価格、大人用は材料にこだわり、少し大きめサイズで提供しました。もちろん、天候や連休などで来場者が減ることもありますが、目標はあくまで目安として考え、客数を基準にしていたことが、うまくいった理由のひとつだと思います。

コロナ後、マルシェの規模や客層も少しずつ変わってきました。購入者が30人の小さなイベントもあれば、400人を目標とするイベントもあります。販売は別として、作る量には限界がありますが、誰にどれだけ届けたいのかを考えることで、売上に縛られずにイベントを楽しめるようになりました。

売る側が楽しんでいると、お客様も自然と興味を持って寄ってきてくれるものです。未だに出店すると必ず「パン屋さん元気?」と声をかけていただけるお客様も多いです。

マルシェ出店はファンとの信頼関係が大切です。ハンドメイド作家の知り合いも、毎月アクセサリーを求めに来るファンを作っていました。そして、みんなよく笑い、よく話します!

年齢を考えると、いつまでマルシェに出られるかわかりませんが、出店できる間は笑顔で楽しみたいと思います。

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