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10年続くパン屋作りの秘訣:5つのステップで成功を手に入れよう

小さなパン屋さんを開く際に重要なのは、流行に振り回されず、自分のペースで運営を続けるための計画です。この5ステップでは、具体的に何をどう進めるべきかを解説します。

まず、お店のコンセプトを決めることが第一歩です。次に、どのパンのカテゴリーに特化するか、ジャンルを選ぶことでメニューやターゲットが明確になります。その後、経費や生活費を考慮し、現実的な月の売上目標を設定しましょう。さらに、しっかりと休む日を決めることで、長く健康的に働くためのペースを作ることが大切です。最後に、営業時間を決めることで、自分の時間とお客様の時間をバランス良く管理します。

詳しく確認していきましょう!



1. コンセプトを決める

ちいさなパン屋で収入を稼ぎたい場合、しっかりとお店のコンセプトを決めることが非常に重要です。コンセプトは、あなたのお店の個性を示し、お客様にとってもわかりやすい目印となります。

例えば、当店「せたがやブレッドマーケット」のコンセプトは「飽きのこない風味と食べ切れる大きさの毎日サイズのパン」です。これにより、日常的に食べやすく、味に変化をつけながらも食べ飽きないパンを提供しています。

コンセプトを明確にすることで、店舗やイベントで提供するパンの方向性がブレることなく一貫性を保ち、お客様にも長く愛されるお店作りが可能になります。

ポイント
・自分がどのようなパンを作りたいかを考える
• ターゲットとするお客様のライフスタイルやニーズを意識する
• 長期的に維持できるテーマかを検討する


2. ジャンルを選ぶ

次に決めるのは「ジャンル」、つまりパンのカテゴリーです。どんなパンをメインに扱うのかを決めることは、コンセプトを実現するための土台となります。ジャンルを決めることで、パンの種類やお店の雰囲気がより明確になります。

たとえば、以下のようにジャンルとコンセプトを組み合わせることができます。

例1: 甘いおやつパンが好きな人に最適なお店

• ジャンル:食パン専門店
• ラインナップ:あん食パン、バブカ、デニッシュ食パン、フレンチトーストなど、スイーツ感覚で楽しめる食パン。

例2: 伝統的な製法にこだわった職人の味を届けるお店

• ジャンル:食パン専門店
• ラインナップ:ハードトースト、パン・ド・ミ、ホテルブレッド、イギリスパンなど、シンプルながら深みのある伝統的なパン。

同じ「食パン専門店」というジャンルでも、コンセプトによってラインナップは大きく変わります。

また、「なんでもありのパン屋さん」という選択肢もあります。たとえば、食パンだけでなく、クロワッサンやベーグル、焼き菓子も取り入れた店舗も可能です。重要なのは、自分の作りたいパンがどのジャンルに最もフィットするかを考え、イメージを広げることです。

ポイント
• 自分が情熱を持って作れるパンのジャンルは何か?
• ターゲット顧客がどんなパンを求めているか?
• 既存のパン屋とどう差別化するか?

ジャンルを決めることで、商品構成やお店の雰囲気がクリアになり、次のステップに進みやすくなります。


3. 月の売上目標を決める

パン屋での売上目標を設定する際には、まずは必要な経費をしっかりと把握することが重要です。最低限カバーすべき費用を明確にし、それを基に現実的な売上目標を立てましょう。

固定費
家賃や人件費、光熱費など、毎月変わらず発生する費用を固定費として計算します。これは店舗運営の基盤となるため、必ず考慮しましょう。

変動費
電気代や水道代、パンを作るための原材料費は売上や生産量に応じて変動するため、予測を立てるのが少し難しいかもしれません。ですが、過去のデータや予想ベースでの計算を行うことで、ある程度の見積もりが可能です。

オンラインショップの費用
オンライン販売を始めると、販売手数料や配送料が新たに発生します。これらの費用も忘れずに加えておく必要があります。

生活費と税金
最終的に、パン屋の売上があなたの生活を支えるためには、生活に必要な費用(家賃、食費、年金、健康保険料など)や、税金関係(自動車税や車検代など)も考慮しなければなりません。

ただし、初めから大きな目標を設定するのではなく、まずは最低限必要な売上を計算し、そこから現実的に達成可能な目標を立てましょう。これにより、経営の基盤が安定し、少しずつ拡大していくことが可能です。

目標設定のヒント
• まずは最低限必要な売上を計算し、その上で生活に必要な金額を追加
• 将来的に余裕を持たせるために、少し高めの目標を設定することも検討
• 季節によって変動する売上を予測して、フレキシブルに対応する準備


4. 休む日を決める

パン屋を運営するうえで大切なのは、適切に休むことです。お店を休んでいても家賃や光熱費などの経費はかかり続けますが、無理をして体調を崩してしまっては元も子もありません。だからこそ、計画的に休む日を決めることが重要です。

体力と仕事のバランス
人は年齢とともに体力が落ち、無理がきかなくなってきます。徹夜や早起きができたとしても、次第にそれが厳しくなる時が来ます。30代の頃はずっと働けると思っていたとしても、40代、50代になると自然とペースダウンが必要になります。だからこそ、最初からしっかりと休む日を確保し、長く続けられるリズムを作りましょう。

週2〜3日の休みが理想
最低でも週2日は休むことをおすすめします。できれば週3日、しっかり休むことで、心も身体もリフレッシュでき、働く日に最大のパフォーマンスを発揮することが可能です。長期的にパン屋を運営していくためには、健康を保つことが最も重要な資産になります。

メリハリをつけた働き方
休む日をしっかり確保することで、働く日は仕事に集中しやすくなります。「仕事の日は、目が覚めてから寝るまで仕事のことだけを考える」とメリハリのある生活リズムを作ることで、生産性を高め、疲れをためにくくなります。


5. 営業時間を決める

お店の営業時間を決めることは、あなたのライフスタイルやお客様のニーズに合わせた最適な時間管理を意味します。営業中は「お客さま」の時間であり、その前後は「自分」の時間。どちらの時間も大切にすることが、パン屋を長く続ける秘訣です。

ひとり営業の場合のベストプラン
ひとりでパン屋を切り盛りする場合、接客しながらパンを焼くのは難しいことがあります。そこで、オープン前にパンの焼き上げ作業を8〜9割終わらせ、焼きたてや揚げたてが必要なパンだけを仕上げるのが効率的です。これにより、営業時間中にお客様との会話や接客に集中でき、より良いサービスを提供できます。

時間の使い方を意識する
パン屋を開く前の時間は自分のために使い、お店が開いたらお客様のために時間を使う。この時間の使い分けをしっかりと意識することで、ストレスなく仕事に集中できます。また、営業中のお客様との会話を大切にし、日常の中でのつながりを築くことは、リピーターを増やす大きな鍵となります。


まとめ

パン屋を始めて安定した収入を得るためには、計画的な準備と運営が欠かせません。この5つのステップを踏むことで、単においしいパンを作るだけでなく、経営の視点を持ちながら長く愛されるパン屋を築くことができます。

まず、お店のコンセプトを決めることで、どんなお客様にどんなパンを提供したいのかが明確になります。次に、ジャンルを選ぶことで、自分の強みを生かした商品ラインナップが組み立てやすくなります。そして、現実的な売上目標を設定し、無理のない範囲で経営を計画することが重要です。また、しっかりと休む日を決めることで、心身の健康を保ちつつ長く続けられる働き方を作りましょう。さらに、営業時間を決めることで、お客様とのコミュニケーションを大切にしつつ、効率よく運営することができます。

これらのステップを完了してからパンのラインナップを決めると、コンセプトやジャンルに沿った無理のないメニューを作ることができ、日々の運営がスムーズになります。

5つのステップを意識して運営することで、安定した収入の基盤を築き、長期的に愛されるパン屋を作ることができるでしょう。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。このステップを実践し、せたがやブレッドマーケットは無事に10周年を迎えることができました。みなさんも、ぜひ5年、10年といった長期的な視点で計画を立てて、着実に歩んでいってください。




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