【企業図鑑】アクセンチュアをSES営業向けに解説
コンサル領域の営業をしていると、アクセンチュア案件にたどり着くこともあると思います。そんなときに、企業の概要が少しでもあると案件イメージもつきやすいですよね。
今回は、世界最大級の総合コンサルティングファーム「アクセンチュア」についての解説です。
SES営業に向けて、歴史や業績、競合比較、過去の出来事、特徴などをわかりやすく紹介していきます。
1. アクセンチュアの歴史
1951年にアーサー・アンダーセンのビジネスコンサル部門として誕生しました。その後、独立した企業となり、2001年に現在の社名に変更しています。
1-1. 創業から現在まで
創業から今に至るまで、変化を続けながら成長してきました。最初は会計事務所の一部門でしたが、時代の変化に合わせて事業領域を広げて、独立企業として成功したんです！
1-2. 日本における展開
実は日本でもかなり早い時期から事業を展開し ていました。なんと、1962年にはすでにコンサル業務を開始しているんです。
これは、日本の高度経済成長期とほぼ同時期にあたりますよね。以来、日本経済の発展とともに歩みを進めてきました。
日本における従業員数は、2024年時点で約2万5000人となっています。日本国内のコンサルファームとしては、かなり大規模です！
2. アクセンチュアの業績
世界中で事業を展開する巨大なコンサルファームであり、その業績は非常に安定しています。近年はDX関連のニーズ増加を背景に、力強い成長を見せています。
2-1. 近年の業績推移
2024年度（2023年9月～2024年8月）の売上高は約649億ドル（約9兆5,000億円）に達し、前年度比でわずかながら増加しています。
過去数年間を見ても、着実に売上を伸ばしており、安定した成長軌道を描いています。ただし、2023年度の成長率と比較すると、成長の勢いは鈍化している傾向も見られます。
また、営業利益は2024年度は約96億ドルと、前年度から増加しており、収益性も維持していることが分かります。
2-2. 事業領域と収益構造
事業領域はコンサルティング、テクノロジー、アウトソーシングなどが柱となっており、それぞれの分野で高い専門性を発揮しています。
収益構造も多様化しており、特定の分野に大きく依存することなく、バランスの取れた経営を行っています。また従業員数は、グローバルで70万人を超えています。
この巨大な組織力も、業績を支える要因の一つです。地域別に見ると、北米、ヨーロッパ、アジア太平洋地域など、世界各地でバランス良く事業を展開しているんですよね。
3. アクセンチュアの競合比較
競合はデロイト、EY、KPMG、PwCといったBig4と呼ばれる巨大コンサルファームが筆頭です。
これらの企業もグローバル事業を展開し、幅広いサービスを提供していますが、それぞれ強みや特徴が異なります。
3-1. 主要な競合企業との比較
主要な競合企業との比較を通して、アクセンチュアの特徴をより明確に見ていきましょう。
デロイト
Big4の中でも最大規模を誇り、監査、税務、コンサルティング、ファイナンシャルアドバイザリーなど、幅広いサービスを提供しています。特にリスク管理や財務関連のコンサルティングに強みを持つと言われています。EY
「Building a better working world（より良い社会の構築）」を掲げ、監査、税務、トランザクション、アドバイザリーなどのサービスを提供しています。近年は、サステナビリティやパーパス経営に関するコンサルティングに力を入れています。KPMG
監査、税務、アドバイザリーサービスを提供しており、特に中堅企業や新興企業への支援に強みを持つと言われています。また、グローバルネットワークを活用したクロスボーダー取引の支援も得意としています。PwC
監査、税務、コンサルティングサービスを提供しており、戦略コンサルティング部門であるStrategy&を有しています。戦略策定から実行まで一貫したサービス提供が特徴です。
3-2. アクセンチュアの際立った特徴
テクノロジーとデジタルトランスフォーメーション領域において、他社と比較して際立った強みを持っていることが分かります。
従業員数も他社を大きく上回っており、大規模PJを同時並行で進めることのできる組織力も特徴と言えると思います。
またエンジニアやデザイナーなどの人材を抱えている点も特徴です。これにより、戦略策定だけでなく、システム構築や運用まで一貫したサービスを提供ができるんですよね。
4. アクセンチュアに関連する出来事
過去にいくつかの課題に直面してきました。近年では、不正入札疑惑、長時間労働問題、そして2022年には顧問による不適切な発言などが報じられ、社会的な注目を集めました。
4-1. 不正入札疑惑と労働環境
過去には、公共事業等における不正入札への関与が疑われた事例がありました。また、コンサル業界全体に見られる傾向として、長時間労働の問題も指摘されています。
アクセンチュアにおいても、一部プロジェクトにおいて過重労働が発生していた可能性があり、従業員のワークライフバランスへの配慮が求められる状況がありました。
4-2. 2022年の顧問の不適切発言
2022年、アクセンチュアの社外アドバイザー（顧問）を務めていた伊東正明氏が、早稲田大学で行われた社会人向け講座において、若年層の女性に対する不適切な表現を含む発言を行いました。
具体的には、自社のマーケティング戦略を「生娘をシャブ漬け戦略」と表現するなど、薬物犯罪を連想させ、かつ女性を蔑視するような内容でした。この発言は受講者によってSNSで拡散され、大きな批判を呼びました。
この事態を受け、アクセンチュアは伊東氏との顧問契約を直ちに解除し、「誠に遺憾であり、到底許容できるものではない」との声明を発表しました。
また、伊東氏は当時吉野家の常務取締役でもありましたが、この発言が原因で解任されています。この事件は、企業における倫理観や、アドバイザーを含む関係者の言動に対する企業の責任が問われる事例となりました。
5. SES営業から見たアクセンチュア
SES営業の視点から見ると、非常に魅力的な取引先と言えると思います。大規模なプロジェクトが多く、高度な技術力や専門知識が求められる案件も少なくありません。
そのため、優秀なエンジニアを抱えるSES企業にとっては、大きなチャンスとなります。ただし、求められるレベルも高いため、しっかりと準備をして臨むことが重要です。
5-1. アクセンチュアとの協業のメリット
協業メリットは、大規模プロジェクトへの参画機会、高度な技術スキルの習得、そしてアクセンチュアというブランドとの連携による信頼性向上などが挙げられます。
5-2. 協業における注意点
協業にあたっては、アクセンチュアが求めるレベルの高さや、厳しい品質管理基準などを理解しておく必要があります。また、コミュニケーションを密に取り、円滑な連携を図ることが重要です。
事前にしっかりと情報共有を行い、相互理解を深めることで、より良い関係を築けると思います。