ベンチャーキャピタルと投資ファンドの違いをわかりやすく解説!
ベンチャー企業やスタートアップへの投資に興味がある方は、「ベンチャーキャピタル(VC)」という言葉をよく聞くかもしれません。
また、「投資ファンド」という言葉も耳にすると思いますが、この2つの違いをちゃんと知っている方は、意外と少ないのではないでしょうか。
実は、ベンチャーキャピタルは投資ファンドの一種なのですが、両者には違いがあります。今回はその違いを、わかりやすく解説していきます。
ベンチャーキャピタル(VC)ってなに?
ベンチャーキャピタルとは、これから大きくなると期待されている会社に投資する企業のことです。
例えば、まだ株式市場に上場していない若い会社、特にできたばかりのベンチャー企業やスタートアップ企業などに投資します。
ベンチャーキャピタルの役割
お金を出す
大きくなるためにお金が必要な会社に、株をもらう形でお金を出します。経営を助ける
お金を出すだけでなく、経営のアドバイスや、やり方を教えたり、人材を紹介したりします。会社の価値を高める
投資を通して会社の価値を高め、株式公開(IPO)や他の会社に買ってもらう(M&A)などで、出したお金を回収します。
投資ファンドってなに?
投資ファンドとは、たくさんの投資家からお金を集めて、いろいろなものに投資するしくみのことです。
投資するものは、株式市場に上場している会社の株、まだ上場していない会社の株、土地や建物、債券など、本当にいろいろです。
ベンチャーキャピタルと投資ファンド、どこがちがうの?
では、ベンチャーキャピタルと投資ファンドの具体的な違いを見ていきましょう。
1. 投資するものの違い
▼ベンチャーキャピタル
まだ株式市場に出ていない若い会社、特にできたばかりのベンチャー企業やスタートアップ企業に特化しています。
将来大きく成長する可能性を秘めた、革新的な技術やビジネスモデルを持つ企業に注目します。
また、最近では、環境問題や社会課題の解決に取り組む企業(インパクト投資)への投資も増えています。
▼投資ファンド
上場している会社の株、上場していない会社の株、土地や建物など、いろいろなものに投資します。
投資対象は非常に幅広いです。
・成熟した大企業に投資するファンド
・不動産に特化したファンド
・債券に投資するファンドなど
さまざまな種類があります。また、特定の地域や産業に特化したファンドも存在します。
2. 投資する時期の違い
▼ベンチャーキャピタル
会社ができたばかりの時期や、事業を始めたばかりの時期、少し成長してきた時期などに投資することが多いです。
▼投資ファンド
投資するものがたくさんあるため、投資する時期もいろいろです。大きく成長した会社や、経営が少し苦しくなっている会社に投資するファンドもあります。
3. 投資する期間の違い
▼ベンチャーキャピタル
数年から10年くらいの、比較的長い期間投資します。これは、投資先の企業が成長し、株式公開(IPO)やM&Aなどを通じて投資資金を回収するまでに時間がかかるためです。
投資期間中は、経営支援などを通じて企業の成長をサポートします。また、最近では、より長期的な視点で、10年以上の期間を見据えた投資を行うベンチャーキャピタルも出てきています。
▼投資ファンド
投資のやり方によってちがいますが、比較的短い期間で投資することもあります。
例えば、市場の状況に合わせて短期的な売買を繰り返すファンドや、数年で投資資金を回収することを目標とするファンドなどがあります。
ただし、長期投資を基本とするファンドも多く存在します。
4. 経営への関わり方の違い
▼ベンチャーキャピタル
お金を出すだけでなく、経営に積極的に関わります。アドバイスをしたり、人を紹介したり、役員を派遣したりすることもあります。
これは、投資先の成長を最大化するため、経営戦略の策定や実行をサポートすることが目的です。
▼投資ファンド
基本的にはお金を出すことが中心で、経営に直接関わることは少ないです。
ただし、投資先企業の価値を高めるため、必要に応じて株主として意見を述べたり、経営状況のモニタリングを行ったりすることはあります。
5. 目的の違い
ベンチャーキャピタル
投資した会社が大きく成長することで、株を売ったときの利益(キャピタルゲイン)を得ることが主な目的です。投資ファンド
株を売ったときの利益だけでなく、配当金や利子など、いろいろな形で利益を得ようとします。
有名なベンチャーキャピタル
日本には、たくさんのベンチャーキャピタルがあります。いくつか有名なところを紹介します。
▼ジャフコ グループ
日本最大級のベンチャーキャピタルです。
設立は1982年と歴史も長く、これまでの投資実績は4,000社以上、IPO支援実績は900社以上という圧倒的な数字を誇ります。
▼グローバル・ブレイン
幅広い分野のスタートアップに投資しており、特に情報通信、AI、ヘルスケアなどの分野に強みを持っています。
運用総額は1,000億円を超え、国内外のスタートアップへの投資を行っています。
▼インキュベイトファンド
できたばかりの会社、特に創業間もないシード期のスタートアップを応援しています。
比較的少額からの投資を行い、手厚いハンズオン支援(経営への積極的な関与)を行うことで知られています。
累計投資社数は200社を超えています。
まとめ
ベンチャーキャピタルは、投資ファンドの中でも特にまだ株式市場に出ていない若い会社に特化し、経営を助けながら大きく成長することを目指している点が特徴です。
一方、投資ファンドは、もっと広い範囲のものに投資し、いろいろな方法で利益を得ようとしています。
ベンチャーキャピタルと投資ファンドの違いが、よりわかりやすくなったかと思います。
それでは!