【SES営業の裏話】無能と言われる理由と業界の構造的な問題点
「SES営業 無能」はたくさんの人が検索してるキーワードのひとつです。SES業界で9年働く僕が、SES営業が無能と言われる理由について解説していきます!
SES営業個人の問題点
理由その1:エンジニアの気持ちを考えない
SES営業のメインの仕事に、エンジニアの紹介があります。中にはエンジニアの気持ちをあまり考えずに、ただ人数だけを重視する営業がいます。
例えば、エンジニアのスキルや希望とは違う会社に無理やり紹介したり、エンジニアが困っている時に助けてくれなかったりするケースがあります。これでは、エンジニアから不満を持たれても仕方ありません。
▼具体例:スキル不一致
あるエンジニアはWebサイトを作るのが得意なのに、スマホアプリを作る会社に紹介してしまう、といったケースです。
これでは、エンジニアは自分の力を十分に発揮できませんし、会社側も求める人材と違っていた、ということになりかねません。
理由その2:目先の売上ばかりを気にする
SES営業は、会社から売上を求められます。そのため、どうしても契約を取ることを優先してしまいがちです。売上は大切ですが、そればかり気にしていると、エンジニアや紹介先の会社をないがしろにしてしまうんです。
▼具体例:無理な契約
通勤に片道2時間以上かかる案件は、本人に大きな負担になります。それを「他に案件がないから」など、理由をつけてなかば強引に進めていくケースです。
理由その3:ITの知識が足りない
SES営業にも、ある程度の知識が必要です。中にはITの知識が全然足りない人もいます。これでは、エンジニアや紹介先の会社とまともに話ができませんし、適切な提案もできません。
▼具体例:専門用語がわからない
「クラウド」や「AI」といった基本的な言葉の意味がわからなかったり、エンジニアが話している内容を理解できなかったりするケースです。これでは、仕事になりません。
理由その4:連絡が遅い、またはしない
仕事をする上で、連絡は大切です。中には連絡が遅かったり、必要な連絡をしなかったりするSES営業もいます。これでは、エンジニアや紹介先の会社に迷惑をかけてしまいます。
▼具体例:報告をしない
エンジニアが現場で困っていることがあっても、会社に報告しなかったり、逆に会社からの大切な連絡をエンジニアに伝えなかったりするケースです。これでは、信頼を失ってしまいます。
理由その5:問題が起きた時に対応しない
仕事をしていると、どうしても問題が起きてしまうことがあります。そんな時、きちんと対応するのが営業の役目です。
中には問題が起きても見て見ぬふりをしたり、責任逃れをしたりするSES営業もいます。これでは、周りから「無能」と思われても仕方ありません。
▼具体例:責任転嫁
例えば、エンジニアと紹介先の会社の間でトラブルが起きた時に、どちらの味方もしないで、ただ逃げ回るようなケースです。これでは、誰も助けてくれません。
構造上の問題点
多重下請け構造と中間企業の存在
SES業界には、多重下請け構造という大きな問題があります。これは、一つの仕事に対して、たくさんの会社が関わっている状態です。
例えば、A社からB社、B社からC社、そしてC社からエンジニアへと仕事が流れていくような形です。この構造の中で、中には右から左に情報を流すだけで、なにも価値を生み出さない会社も存在します。
このような会社に所属していると、営業スキルが身につきません。なぜなら、自分で仕事を探したり、交渉したりする必要がないからです。
中間企業の恩恵を感じづらい
また、中間企業はマージン料(手数料)を取ることで利益を得ています。
エンド企業(実際にエンジニアを使う会社)や所属会社(エンジニアが所属する会社)からすると、中間企業が何をしているのかが見えにくく、恩恵を感じづらいという問題があります。
中間企業が何もサポートをしてくれないのに、マージン料だけを取っていくようなケースです。これでは、エンド企業や所属会社から不満が出ても仕方ありません。
マッチングに関する問題点
よく知らない案件とよく知らない人
自分がよく知らない案件に、よく知らないエンジニアをマッチングさせてしまうケースがあります。
案件の内容や必要なスキルを理解していないために起こります。また、エンジニアのスキルや経験をきちんと把握していない場合にも起こります。
具体例:詳細な情報不足
案件の内容が「Web開発」としか書かれておらず、具体的な技術や開発環境が不明なまま、エンジニアを紹介してしまうケースです。
また、エンジニアのスキルも「プログラミング経験3年」といった大まかな情報しか把握しておらず、得意な言語や経験したプロジェクトなどが不明なまま、案件にマッチングさせてしまうこともあります。
これでは、ミスマッチの可能性が高く、エンジニアと顧客の双方にとって不幸な結果につながってしまいます。
まとめ
これらの理由、構造上の問題、そしてマッチングに関する問題から、SES営業は無能と言われることがあります。もちろん、すべてのSES営業が無能というわけではありません。一生懸命仕事をしている人もたくさんいます。
この記事が、SES営業という仕事を理解する上で、少しでも役に立てれば幸いです。