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EAAラストワードネクロマンサー 解説


どうも、セシリア(@sesiria_na314)です。
Re|Silvers という名前で先日行われたGrand Master Finals 2023に出場していました。


名前の由来は『ロクでなし魔術講師と禁忌教典』という作品に登場するキャラクター、セラ=シルヴァース より

ただのオタクです


今回はその大会を勝ち上がり、レートでも使用しているネクロマンサーの解説記事を書いていこうと思います。RAGE day2やレートでの使用を考えている方の参考になれば幸いです。
なお、自分自身も「Shadowverse Invitational 2023」への出場を控えている身ですので、情報を安売りしたくない等の観点から一部有料とさせていただきます。購入は自己責任でお願いします。(マリガン以降の項目を有料)

(財宝ロイヤルについては割愛)


以下簡単に筆者の実績と今期のレート戦績

・MPランキング称号 3色保持(覇者、2位、3位)
・JCG スイスドロー大会 優勝
・Ratings杯出場 ×2
・Grand Master Finals 2023 1位タイ(決勝戦が存在しないためこの表記)

試行回数がやや少ないのと先後入力していないのはご容赦を、GMFの調整はレートよりも壁打ちルムマメインでやっていたため


それでは本題



〇ラストワードネクロマンサーとは?~デッキの本質~


この項目を「デッキ解説記事の冒頭でよく見かける初心者向けの簡単な紹介だよね~」などと読み飛ばすことを絶対しないでください。
自分が関わってきた人たちには、このデッキの本質を誤認している人が意外と多く見受けられました。
ここで述べる考え方を基に構築やマリガン、プレイについて解説していくので、それを完璧に理解して応用できれば有料部分なんて読む必要性はありません。


このデッキの本質、それは…

  OTKコンボネクロマンサー

であること。これに尽きます。

決してアグロデッキやテンポデッキの類ではありません。


一部の例外を除いて、序盤は多少テンポを犠牲にしてでもデッキを回転させる札を使いつつラスワカウントを貯め、中~終盤にかけて優位を逆転させ、特大打点を狙っていくという、コンボデッキじみた動きをするのが基本になります。
キーパーツをサーチする札やデッキを回転する札が多く採用されているため、OTKコンボを高い再現性で組むことができ、自壊札によって当て先を残さないプレイができるため、環境でよく見かけるギルネリーゼなどの回復札をケアしながら相手の体力を削る立ち回りが得意なデッキタイプです。

まずはこの考え方を頭に叩き込んでください。そうすればこの後述べる構築やマリガンについても何故そうなるのか、理解しやすくなると思います。


〇構築のお話


現在は以下の構築を使用しています。

GMF、そしてレートで使用している40枚です


世間一般のリストと比べればそこそこ癖が強いと思うので、目を付けられそうな点を取り上げつつ解説していきます。また、ケルべの捨て先になるか否か、という点について頻繁に言及していますが、それくらいケルベロスを強く使うことが大事なデッキであるということを覚えておいてください。(ラスワ5達成以前にテンポケルベロスをすることなんて99%ない、ケルを序盤に切るくらいなら多少顔を受けてでもハンドを伸ばす動きをした方がいい)

基盤

デッキの核となる27枚。ここの枚数を動かすのはやめましょう。


デッキの補助として入れたいカード


後ほど解説


上二つを合わせた個人的確定枠

自由に使える枠は2枚のみだと考えています。



・ミーノ

ほとんどの人が3枚採用、そして3枚を確定枠として考えていると思います。自分も現在は3枚採用していますが、他のカードと入れ替えるとなればこのカードを1枚減らすと思います。

1コストでラスワを稼ぎつつ統率などの打ち先にしやすいのは優秀ですが、ハンドを減らしてしまう点、忠犬のゴーストと違い次ターンに自壊札の打ち先を予約できない点、ラスワ5達成時のスタッツが5/5とやや大きく、自害しにくい&相手側の当て先になりやすい点などが若干気になるためです。

ですが、5/5突進が、
序盤失ったテンポを回収しつつ押しつけができる点
オリヴィエ&シルヴィアやドラズエル、深淵の大佐などの中~大型守護を突破しやすくなる点で活躍するため基本的には3枚採用推奨です。

他にどうしても入れたいカードがあるならば2枚に減らすこともギリギリ許容できる、くらいの考えです。



・自壊札(統率、クランプス)


世間的にはどちらか、概ねクランプスが2枚に減っていたりして、両方3枚採用しているのは意外と珍しいかと思われます。しかし自分は両方とも絶対に減らすべきではないと考えています。

「自分からラスワカウントを強引に稼ぎに行けるためラスワ9止めなどに対して強い」という簡単な理由だけではありません。

まず、単純にデッキを回転させつつ打点に変換できることが優秀です。いくらOTKを狙うデッキとはいえ、20点をいきなり削り切るのと少し削れている状態から削り切るのでは要求値的にかなりの差があります。
そんな時、ハンドを減らさずに打点に変換できる札というのは勝敗に大きく絡んでくるもので、試合中に複数枚引きたいケースが多いです。



統率は2枚引きつつ2点(進化込み4点)、クランプスは1枚引いて1点&暴食のための墓肥やしができる(ラスワ10未達成でもクランプスのおかげで暴食が起動することがある)ため、効率よく打点を稼げます。

言うまでもないと思いますが、ラスワ10達成後のケルベロスから出てきた疾走ミミを割ることで更なる打点のかさましができるため、取れるリーサルの幅が広がります。(特に、ラスワネクロミラーで頻出の大佐イステンを行わず、ケルベロスなどで削り切るリーサルパターンを成立させやすくなる。

また、財宝ロイヤルの極意たる空絶や八獄ウィッチなどのギルネリーゼによる回復ケア、ミラーのフギン&ムニンやケルベロスの当て先ケア(ドローやラスワカウント阻害、ホズミエルフのコスモスファング進化ケア(回復量&ウィムエルのコストダウン量阻害など、環境的に自分の盤面にフォロワーを残さないことが強く働く場面が多く自壊札を引かないことそのものが負け筋になる試合も頻発するため、よほどのことがない限り両方とも3枚採用することを推奨します。


・ギルネリーゼ

特大ドレインによってゲームを伸ばすことができるカード。デッキの性質上序盤にテンポ負けしやすく、顔を削られ過ぎてダメージレースに負けてしまうことがしばしばあるため、それを緩和するために採用。ターンを伸ばすことで1ターン中に出せる打点がどんどん上がっていくため、OTKを成立させるための非常に理に適ったカードだと言えるでしょう。
後手は勿論、先手でもゲーム中に一回は絡むことが多く、特に八獄W対面などはこのカードを使ってターンをもらうことが勝敗の鍵と言っても過言ではないため2枚以上採用を推奨します。

過剰と思われるかもしれませんが自分は是非とも3枚採用したいと思っています。現環境でそこそこ行うことがある2t結晶大佐置きなどのやや強引なプレイのリカバーとして最適であり被ってしまう懸念に対しては、フォロワーというだけでケルベロスの葬送先になりうる点を評価しているためです。


また、まれに発生する直接召喚で勝つ目も見やすくなります(ミラーなどでお互いが耐える択を取り続けると発生する)

・死竜の暴食


デスタイラント砲

1~2枚採用を推奨。
ケルベロスで捨てれない、4コストがやや重く事故要因になる、などのデメリットはあるものの、このカード1枚だけで10点分の打点を加算できるのは強力で、1ターンに20点近い打点を出すことを求められる現現環に非常にマッチしています。

序盤に引いてしまう事故を許容でき、ゲームが長引くことが多いと感じるならば2枚目の採用もアリだと思います。


採用検討枠

頑張ってひねり出せばこれ以外にもあるかもしれないけど、それらは基本的にデッキと噛み合わないカードなので割愛


・侵入

ネクロのシャムシャマ


言わずと知れた1コス3点カード。打点効率だけを見れば最高峰ですが、ケルベロスで捨てれない点、暴食用のネクロマンスを使用してしまう点、ハンドの消費が激しくなってしまう点が気になります。
1コストで他の動きとくっつけやすく小刻みに打点を出せるため暴食との差別化はできていますが、環境的には暴食に軍配が上がりそうという認識です。
採用するにしても1~2枚にとどめておくのが無難かと思われます。



・ボーンリボーン

お話にならないレベルで弱いです。

1コストですでに破壊されている2コス以下のフォロワーを釣ってこれるとはいえ、このデッキがテンポデッキではないことは冒頭で述べた通りです。

基本的に序盤はハンドを伸ばしたいためアズヴォルトやフギン&ムニンをプレイすることが多く、2コスのラスワ持ちが墓場にいないことがほとんどなので序盤にこれを打って強いケースがあまりありません。

かといって中~終盤で強いかといえば全くそんなことはなく、ケルべで捨てれない、エンハンスが邪魔、軍曹が出ないとハンドを減らすだけ、無駄にフォロワーを出して当て先を作り出してしまう、などデメリットが目立ちます。


・奈落の軍曹

環境初期は3積みされていることがほとんどだったが、最近では抜けたり枚数が減っていることが多いカード。2/2/2の標準スタッツ+ラスワで八獄フォロワーサーチという強力な効果を持っているものの、以下のようなデメリットも目立ちます。

  • 1.同名サーチ制限がないため軍曹→軍曹とサーチしてしまう(デッキの軍曹を1枚以下にすれば解決するためそれほど問題ではない)

  • 2.サーチにラグがあるため破壊した瞬間にすぐキーカードをサーチできるわけではない

  • 3.主にウィッチ対面のウーラノスなど消滅に弱い、財宝ロイヤルのオクトリスにラスワ効果をコピーされると渋い

  • 4.出した瞬間はアクティブにならないので自壊札とセットで使わないとあて先になってしまう(ターンが経てば経つほど使いにくくなる、終盤腐りやすい)

  • 5.大佐やイステンを引きたいときにアズヴォルトからサーチしてしまう可能性がある(軍曹サーチが負け筋になりうる)


筆者は主に3、4、5の観点から不採用を推奨しますが、上手いこと使えれば強力なカードではあるので1枚までの採用なら許容といった認識です。
複数枚採用は絶対にしたくないです。

※たまになぜか軍曹との引き合いに出される同名サーチ制限がないアズヴォルト

軍曹→軍曹はラグがある、消滅に弱い、ハンドの枚数が変わっていない

アズヴォルト→アズヴォルトは即時サーチ、空中でラスワカウントを稼げる、ドローにラグがあるものの結果的にハンドの枚数が増える

ので、アズヴォルト→アズヴォルトチェインが弱いという主張はデッキの本質を理解していないのかと思われます
 




・アラエル、バケルス


軍曹不採用による2コスラスワ枠の減少によって検討の余地が生まれたカードたち。アラエルは守護&ラスワ効果で防御性能を高めることができ、バケルスはゴーストによって細かな立ち回りを可能にしてくれる。

ケルベの捨て先にもなるので採用してもいいが、カードパワー自体は両方とも高いとは言えないのでよく考える必要がある。
(個人的にはバケルスよりもアラエルの方が若干評価が高い)


・潰し宴

自由枠の中なら恐らく一番可能性のあるカード。
序盤に押され気味なテンポを回収しつつ、3コストでラスワカウントを2稼ぐのが主な使い方。
守護2面展開によってミラーの疾走ケルベロスや八獄Wの疾走セフィーもある程度牽制できる点が優秀。

デメリットはケルべの捨て先にできないことと、強く使えないケースもそこそこあり、ハンドで腐りがちな点。(フギンムニンと違いドローが進まない、など)

それを差し置いてもデッキの本質的に相性は悪くないので、2枚までの採用ならアリ。


・奇襲

一部界隈で話題になっていたので一応解説。序盤に押され気味な盤面の状態を改善するといった、アラエルや潰し宴などに近い役割を持ったカード。

しかし、スペルなのでケルベロスで捨てれない点、このカード自体がラスワカウントを稼ぐわけではない点、ハンドを減らしてしまう点、起動して欲しくない場面で起動して相手の面ロックを解除してしまう点など総合的に見た場合デメリットの方が大きく見えるので不採用推奨
環境がアグロデッキで埋め尽くされたならば採用を考えるくらいの認識でいいと思います。


構築について~まとめ~


デッキの本質
OTKコンボネクロマンサー
であるということを踏まえたうえで、

基盤+コンボ成立のための補助札+序盤の弱さを改善する札

でリストを組み突き詰めていくと、筆者が使っているような構築になるのも頷けるのではないでしょうか。



中盤以降対面の当て先を積極的にケアしつつ顔を詰めたい=自壊フル投入
ケルベとの噛み合いを考えつつ、押された序盤をリカバーする札として最適なもの=ギルネリーゼ


※2/7追記


環境的に(ミラー、八獄ウィッチの増加などにより)、暴食が絡むゲームが増えたため、現在は2枚採用を推奨しています。
その場合、デッキ内にフォロワー以外のカードが増えることで、ケルベロスの捨て先が確保できないパターンも(若干)増えてしまうため、潰し宴の複数枚採用が厳しくなると思います。
潰し宴はどんなに頑張っても1枚、理想は0枚。
もし枠を確保するなら以下の40枚から調整することになると思いますが、減らしたいカードが何もないため、以下の40枚をそのまま使うことをお勧めします。

一番丸い




上に記した考え方を凝縮し、各対面ごとに適応させたものを有料部分となるマリガン、各マッチアップ解説の項で述べていきたいと思います。逆に言えば、ここまでですべてを理解し自分の中に落とし込むことができたのであれば、これ以降は一切読む必要はありません。


以下有料部分となります。

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