未定稿が好き
未定稿という言葉がある。要するに、完成していない原稿のことだ。
ぼくのぼんやりした予想では、人々に読まれる未定稿は遺稿が多いと思う。エラい書き手が原稿を書いている途中に亡くなってしまったときに、それがそのまま刊行されるようなケースだ。
もっともっとエラい書き手の場合、遺稿だけでなく、人生のなかで書き終えることを放棄されたさまざまな未定稿が、少し整理されて刊行されたり、あるいは、刊行には至らなくとも、研究者の間で資料として読まれたりすることがある。
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