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【組織開発】「みんなで考える」ということ
こんにちは、組織開発実践コーチの「はやまこ」です。
リアルな「組織開発」実践の「はじめ方」「活用方法」「人材育成」などをテーマに書いています。
今回は、基本的なチーム行動「みんなで考える」ということについて掘り下げてみたいと思います。
多様性を活かす
一人で難しい課題に取り組んでいると、思考が同じところをグルグルと空回りしてテンパってしまうことはありませんか?
そんなとき、話し相手を見つけて一緒に考えるとスムーズに新しいことを思いついたりするものです。
みんなで話しながら考えると、それぞれがもついろいろな価値観や知識がその「場」に提供され、一人では生み出せない「多様性」がそこに生まれます。
「たしかに、そういう考え方も大事だよね!」
「うん、その発想はすごく面白いね!」
というぐあいに、メンバーに様々な発見や学びが起きて対話は活性化します。
深掘りして考える
また、一人だと「だいたいこんなものかな・・・」と思考を切り上げてしまうところでも、チームで話すと少し様子が変わってきます。
「ちょっと待って、それだと〇〇のとき困ったことにならないかなぁ?」
「今回は仕方ないけど、ずっと続けるのは大変じゃない?」
というように、別の視点をもつ人が疑問を投げかけてくれるので、安易な結論で終わらせるのを防ぐこともできそうです。
「良い経験」の記憶と再現
良いチーム対話が行われて満足のいく結論を得られると、メンバーはそれを「良い経験」として記憶します。
一度「良い経験」を味わった人は、次も同じようにそれを再現したくなります。
でも、うまく進められた「要因」があいまいなままだと、毎回同じようには進められないものです。
良い思い出とセンスだけに頼っているだけでは、「よい対話」を再現することは難しいはずです。
プロセス振返り
「なぜ、うまく進められたのか?」
これをきちんと振返り、言語化して、皆で共有して、理解・納得していないと、良いチーム対話は再現できません。
そして同じメンバーで集まっても、人はそれぞれ気まぐれなので毎回チーム状態は変化します。
「今日はなんだか気分がのらないなぁ・・・」
という人がいても不思議ではありません。
そんな時でも対話の質を安定させたければ、何かしらルールのようなものが必要になるでしょう。
それには、自分たちの経験から生み出すオリジナルな方法が最適です。
「前回は、○○な進め方したよね!?」
他人が作ったルールを押し付けられてもなかなか本気にはなれないけれど、自分たちの成功体験にもとづくやり方なら再現できるのです。
組織開発の本質
みんなの多様性を活かし、じっくり深掘りをして考えることのできるチーム。
これが「組織開発」が目指す代表的なゴールイメージです。
でも、チームや組織は「多様な人の集まり」ですから、その状態が常に不安定なのは当たり前です。
だから「みんなで考える」ことは、けっこう難しいのです。
成功体験を言語化して、ルールややり方を決めることで少し落ち着かせることはできます。
さらに、メンバー一人ひとりの気配りや助けあいの意識が整えば、より良い感じに機能するでしょう。
このことは、団体スポーツの連携プレイと似ていませんか?
チームとして効果的にプレイするには、個々の能力だけでなくメンバー同士の連携も上手にならないといけません。
スポーツの世界では、個人練習以外にチーム練習も大事にしています。
職場において「みんなで考える」ということは、それと同じなのです。
個々がバラバラで考えているだけでは強い組織にはなれません。
だから、職場でもチームプレイの練習をする必要があるのです。
「組織開発」とは「チーム思考の練習」だ。
こういう見かたをすると、「組織開発」が理解しやすくなるかもしれませんね。
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