野球の打撃に関する記憶
野球は小学4年から中学3年までの6年間やった。
それだけの年数だが、大人になってもまだ明確に覚えていることもある。
小学生の頃、打撃が苦手だった。
バットにボールが当たる気がまるでしなかったし、実際に殆ど当たらなかった。
四死球で出塁して盗塁する、といったことしかできなかった。
小学生は肩が弱いので、盗塁はやりたい放題である。
小学校卒業後中学入学前には公園で野球をしていた。
軟球より柔らかめのゴムボール。
そんな感じで、春休みに毎日打撃に取り組む機会があった。
そんな春のある打席。
投手の子は藤川球児を真似たフォームで投げてきた。
初級、インコース真ん中のストレート。
球速が出ていないのと、コースがまあいいので空振りした。
ただ、二球目にも全く同じコースに同じ球が来た。
それを綺麗に打ち返すことができた。
しかもインコースの球が、センターを超えて公園外の藪に入った。
この打席あたりでコツを掴んだ。
打てる打席が増えて打撃が楽しくなった。
覚えている打席がもう1つ。
中学3年生の練習試合。
コントロールが良くて球速も出る投手が相手。
初級はインコース低め。
バスターを仕掛けてファウルだった。
ただ、そのファウルを打った時、もう一球同じ球が来れば打てるという不思議な感覚があった。
そして2球目も同じコース。
確かに初球でファウルしたインコース低めなら、続けてもファウルがせいぜいだろう考えるバッテリーの気持ちもわかる。
あと、そのコースを続けられるコントロール精度はすごい。
それでも、感覚の通りに綺麗にバットが出た。
打球はライトを越えた。
しかもライト線ではなく、ライトの真後ろに飛ばすことができた。
飛距離も結構出て、ライトが狭い自身の中学校グラウンドなら柵越えだったろう。
この2打席は本当によく覚えている。
それだけ上手く打てたということだろう。
インコースの捌きはやっぱり得意だった気がする。
ただ、対照的にアウトコースを攻められるとサッパリであった。