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夏の甲子園を観戦した話

夏の甲子園に行った。
センバツは現地観戦の経験があったが選手権ははじめてだ。

今年は、朝夕の二部制が開幕日から3日目まで試験的に導入された。
二部制だと試合時間が読みやすいし、暑い時間帯を避けられるのでありがたい。

私は2日目の夕方の部を観戦した。
その日の夕方の部は一試合のみで、17時試合開始だった。

16時過ぎに球場入りすると、平日だったが結構人が入っていた。
両チームの試合前ノックを見ているとあっという間に17時。

この時間だと1塁側は日陰で快適だ。
今回はバックネット裏の1塁側を事前予約できた。

夕立ちを心配していたが、天気は快晴。
甲子園上空は飛行機のルートになっているらしく、定期的に飛んでいる飛行機が見えた。

試合は、京都国際VS札幌日大。
京都国際はセンバツにも出場している。
一方の札幌日大はセンバツ組ではなく、夏は初出場だ。

両サウスポー共に好みの投げ方。
札幌日大は初出場なのに後攻だった。
恐らく、じゃんけんで負けたのだろう。
案の定、ピッチャーは緊張したのだろう、ボール先行で高めに入った球を捕らえられた。
前半で6点差とかになってしまった。

京都国際のピッチャーはコントロールが良い。
アウトローに130km中盤のストレートがビタビタと決まる。
追い込むと縦変化のスライダー。
これで三振を多く奪っていた。

札幌日大は中盤で2番手投手にスイッチ。
右上手投げの2年生だったが、常時ストレートは130km後半で、変化球とのコンビネーションで打者を打ち取っていた。

Sさん曰く、やはり札幌日大の吹奏楽はレベルが高いらしい。
素人の私にも、京都国際よりは札幌日大の演奏が上手だと思った。

驚いたこともある。
京都国際は元々在日韓国人向けの学校であったらしく、校歌が全部ハングルだった。
これでは何を歌っているのかさっぱりだったし、甲子園でハングルの歌が流れるのにも違和感があった。
他のスポーツでは朝鮮学校が勝ち上がることは滅多にないため、このような場面は少ないが、京都国際の野球部は強豪であるため、このケースは今後も発生するだろう。

試合後に韓国人がハングルで京都国際の選手に声をかけていたが、野球部は日本人しかいないらしく、伝わったのかは不明だ。

そんなこんなであっという間に試合は終わった。
札幌日大も最終回に粘りを見せたが、ひっくり返すことはできず。

選手からもアルプスからも若いエネルギーを感じた。
これは洗練された社会人の都市対抗野球からは感じ取れないものだ。
もちろん、社会人野球も会社を背負って一発勝負のトーナメントを戦っているが、高校野球はもっと純粋に甲子園で野球がしたい、負けたくないといった感じ。
純度が高くてエネルギーの総量も多い。
それらは個々の選手から噴出して、甲子園に蔓延していく感じ。
その不思議な力が観客に手拍子をさせて、やがて甲子園の魔物を作り出す。
魔物というか生霊で溢れている空間の様だ。

年を取ってくると高校野球が好きになるのは、そういった球児の生気を高齢者自身に取り込むことができるからでは?とSさんは言った。
自分もそんな感じだった。
それで、甲子園っていいなとありきたりな感想を持ったのだった。

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