『13歳からのアート思考』の感想

23年-24年の年末年始休暇でこの本を読んだ。
Sさんが借りてきた本であって自分で選んだわけではないが、これが面白かった。

アート思考といっても何のことか分からなかったが、丁寧な説明と上手な構成もあって、すんなりと理解できた。
結論、アート思考とは、自分で問いを立てて考えていく、探求していくアプローチのことだった。
これは昨今よく聞くようになった「エリートがアートを学ぶ」といった内容と同じものであった。
確かに13歳の中学生がアート思考を活用することができれば、一人ひとりの思考力が高まり、また、個性を許容できるような世の中になると思う。

アートについて、この本の筆者は独自の見解を持っていた。
アート作品は「花」であり、その「花」が咲くまでには、かなりの「探求の根」が張り巡らされている。
また、それら「花」や「根」の根源は「好奇心の種」なのだそうだ。
この文脈で、美術館あたりでは、「花」は単なる結果であり「根」も重要視されるそうだ。

「根」は問いをエネルギーにしてどんどん拡大していく。
そしてその問いが革新的であればあるほど、世に出た花はいいものになる。
そんな流れの中で、革新的な問いが生まれたことで解放・拡張されていくアートの概念が分かりやすく本書では説明されていた。

「根」を張り巡らせるには考えることが必要だ。
だが、そのプロセスに慣れていない個人では難しいとも思う。
そのため、本で紹介されていたように複数人で会話しながら、お互いに問いを投げかけながら考えを深めていくことが大切だと思う。

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