ふきのとうのはなし
春の訪れを告げるふきのとう、農協で安かったので買ってきた。それからすぐに旦那に天ぷらがいいなー、なんて話をしたのが一昨日。
そして昨日、平日の晩に大黒柱がなんで晩御飯の用意をしなきゃいけないんだ!といつも通りプリプリ怒って旦那は料理をしていた。
そんだけ怒ってガッチャガッチャやってたかと思ったら徐ろにふきのとうを揚げ始めた。そんな不機嫌そうな人に作られた天ぷらなんて食べたくないなー、いいよー、もう別に今日じゃなくて!なんて話をしていたらあっという間にふきのとうの天ぷらが出てきた。
ふきのとうだけ、丼いっぱい。
その横にはハンバーグと付け合わせのブロッコリー。食べれるか!そんなに!
この旦那作るだけ作って、残すと怒るのである。
しょうがないから出来るだけ食べることにした。
すると隣で見ていた長男が、ママだけずる〜い!おいしそー!というのでそれなら、、と一つあげた。
長男はそのままパクッとかじった。そして「おぇっにがっ!!」と言った。私は一度箸をつけたんだから全部たべなよーと言ったが長男の箸は進まずテレビに夢中になっていた。私はそっともう一個長男のお皿に入れてやった。すると、テレビから皿に視線を戻した長男が
「ふ!増えてる!!」
と悲鳴をあげた。
その悲鳴を聞きながら私は目の前のふきのとうを消費すべく少量の塩を振った。それを見ていた長男が、ママは塩を振って食べてるから美味しいんでしょ!みたいなことを言いはじめたので、私は極めて冷静に、じゃあかけてみれば?どーぞ。とかけてあげた。そして長男がかぶりついた。
そして長男はまた「おぇっ」と言った。
我が家の春の訪れ、すこしやかましい食卓だった。