No.51 不登校と解雇とウツ
小3で「学校行きたくない」となった息子が、小4で見事に自ら殻を破った。
あの時、私はどれほど嬉しく、どれほどホッとしたことか。
でもその前にわが家にはもう一つの出来事があった。
実は息子のことがあった同じ頃、夫がリストラにあい失業。勤めていた会社が日本から撤退するという理由から、突然解雇になったのだ。
ガーーーーーン
どころの話ではない。
夫が先か、息子が先か、確か息子の方が少し早かったように記憶している。
でもほぼ同時期で、途方に暮れそうになったが、途方に暮れている場合ではない。
本来ならば私が直ぐにでも働きに出る状況だった。
でも突然失業した日本語を理解しないアメリカ人と、不登校で家にこもる小3児童。
この人達を家に二人きりにして外に出られない。
そんなことしたら多分息子はずっと引きこもる…
どうしたものか…
気になったのは解雇直後、夫の言った
「自分がいなくなれば生命保険がおりるよね」と言う言葉だった。
そんなこと考えるような人だったっけ? 驚いた。
夫には夫にしかわからない思いがあったのだと思う。
日本の業務のサポートの為にアメリカ本社から来て、何年も現場でどれだけ働いたか私は知っている。
本社から「アメリカに戻ってこい」と言う話があった時、「日本にいてもらわないと困る」と引き止められ、本社を退職し日本法人の直採用になった。
全て夫自身が選び、決めたことだけれど、色々な思いがあるのだろうな。そう思った。
そんな訳で、内心だいぶダメージを受けている夫のことも気になった。
気にはなったが、「こんな時に何を言っておるのか!?」とも思った。
二人の子供はまだ小学生。しかも息子は不登校。
解雇は残念だが、夫よ、それであなた自身やあなたのしてきたことが無になるわけでも、否定されるわけでも無い。挫けないでくれ…
腹も立った。私達三人を置いてきぼりにするつもりかー
夫におりる失業保険といただいた退職金。これまでの蓄え。
貯蓄がどうのと言ってはいられない。
今あるもので当面生活しよう。
夫の精神的フォロー(大してしなかったが)と、夫と息子の社会復帰。
まずは二人に寄り添うこと。
これを最優先にする。そう決めた。
収入がないのにお金が減る……と言う不安は、正直もの凄くあった。
えーーいっっっ
雑念は振り払い、まずは目の前にある問題に取り組もう。
そんな思いで過ごした時期だった。
不思議なことに、息子が殻を破り完全に学校生活に戻った頃、夫の再就職も決まった。
一年かかった。長かった。
二人のことが無事解決し、私の中で張っていた糸がプツンと切れ、私は徐々に鬱へと落ちていくのだけれど、自分の中の灯りが消えて行くのを感じながら、それを止められなかった。
今日も幸せな一日でありますように。
Love & Peace,