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満州からの手紙

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満州からの手紙
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#宇和島

満州からの手紙#1をお読みいただく前に

 これからお届けする150通の手紙は、昭和13年から当時通信兵として日ソ国境警備へと出兵した若き日本兵が、故郷(愛媛県宇和島市)に住む父母に宛てた手紙です。  そこには一人子として遠く離れた戦地にありながら、故郷に残した父母への心温まる思いや、帰還を夢見る若者の恋の悩みと葛藤が生き生きとえがかれています。 また満州北部の悠々たる自然や日本兵の日常の描写など、コッケイとも言えるジョークを交え、美しくも壮大に描いた感動のドキュメンタリーです。  時を超え現代によみがえった忠勝

満州からの手紙#6~#10

満州からの手紙#6 お父さん。 後五ツ寝たらお正月ですネ。 『もう五ツ寝たらお正月だよ。』 幼い頃よくそう言われたお父さん達のあの声を今なお懐しく懐しく思い出します。 お父さん。僕達もお父さん達も又ーツ年をとってお爺さんに近づくのですネ。僕も今度の正月を向かえば明けて二十四才の春を向かえる訳です。  昔、紫野の大徳寺に一休と言う非常に名識の高い坊さんがありました。その人はお正月を歌いよんで、 『門松は三途の川の一里塚 めでたくもありめでたくもなし』 と言われて、元旦早々人間

満州からの手紙#21~#25

満州からの手紙#21 お母さん。 たびたびお手紙ありがとう。 又、今日は待ちこがれていた小包を確かに受け取りました。とてもとても嬉しく思いました。本には餓えていたのでさっそく読みはじめました。 ほんとうに有難う。 『親思う心に勝る親心 今日の訪れなんときくらん』 孝心深い松陰先生のうたわれた {三/ミ} {十/ソ}{一/ヒト} {文/モ} {字/ジ}(和歌)を心に思いうかべて『吉田松陰とその教育』の本を読んでいると胸にジイン!!と生温かいものを感じて来ます。    お母さん