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◇特集「熟変へのスタート元年 若さを保つ一年の計」

*熟変に至る七つの要件

◎熟変(じゅくへん)・・・人間として生まれ、人生の歩みの間に体験する自然現象を、自然のままの相(すがた)による変化、老いの理想的な相のことを言います。
 《熟変に至る七つの要件》
一、身なりを綺麗にし、清潔にする
一、食べ物に注意する
一、定期的に健康診断を行なう
一、記憶力の喪失を判断力で補い自分の行ないに自信を持つ
一、脳の働きを鈍らさないようにして、物事に対する理解力を高める
一、能力を生かし、若い時から経験し蓄積して来たものを発展させるよう
  務める
一、常に外聞に注意し、視野を拡く持つ

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 令和3年の1日が始まりました。今年は例年と異なり、晴れがましい新年というわけには行きません。初詣に行くことも躊躇(ためら)い、自粛された方が相当いたのではないかと思います。このような事は、およそ100年振りのことです。

 コロナウイルスという目に見えない危険が、私たちの周辺に拡(ひろ)がり、生活の仕方、仕事の在り方も一昨年のようなわけには行かなくなりました。昨年1年間でコロナウイルスに侵された人が、日本国内では20万人を超え、亡くなった方が3千人以上というニュースを見聞きすると、誰しも精神的に滅入(めい)ってしまい、気持を暗くしがちになります。

 今、皆が薄々気付いていて、口にしないことをハッキリ言います。気持が弱すぎる人、身体が弱すぎる人は、普通に生きることができない時代になってしまいました。

 昭和20年以降の日本では、生まれた人は生きて行けるものだと思うようになりました。家庭や学校では、身体を鍛え、心を磨くことをすすめず、学業のみ奨励するようになりましたが、新たなウイルスによって、現代人の弱点が露呈されてしまうことになりました。

 このような時期にあえて、1年の始まりに「若さを保つ一年の計」を特集したことには訳があります。心身ともに元気に生きることを、普通のことにするには、何をどうすればよいか、読者と共有したいという思いからです。

 一般的に「若さを保つ」と言えば、適度な運動をし、関係するサプリメントを摂(と)り、女性であれば化粧方法をマスターすることになりますが、コロナ禍の時代にあっては、通用しないことです。

 若さを保つ第一は、自分の気持をしっかりさせることです。しっかりさせるとは、生きる目標、目的をハッキリと持つことです。この時期に「漫然とした生き方では、ウイルスに侵されてしまう」くらいの気持で、生きる目標、目的を明確にしてほしいと思います。どのような事でもよいのです。いまひとつハッキリしない人は、「熟変」を目標にしてもらいたいと思い提示しました。

「熟変」は、辞書にも載っていないことばです。人間として生まれ、人生の歩みの間に体験することは、人それぞれに異なります。一人として同じ人はいないと言ってよいでしょう。

 生まれてからの乳幼児期、少年少女期、青年期、成年期、老年期を過ごすのは自然現象ですが、迷いや悩みから生じる試行錯誤が多く、自然のままに生きられないのが大抵の人です。

 孔子が言った「四十にして惑わず」になるには、惑わないだけの知勇を身に具(そな)えなければなりません。その知勇を得る方法が、前頁に紹介した「熟変に至る七つの要件」に当てはまります。

 たとえば、「身なりを綺麗(きれい)にし、清潔にする」ことは、簡単なことだと思うことでしょう。普段から綺麗な衣服、清潔な衣類を着るようにすればよいと思うことです。綺麗にし、清潔にしなければならないのは、衣服というよりも先に、自分の「心」です。その人の心の状態が、身に着ける衣服の美醜に表れるからです。

「常に外聞に注意し、視野を拡く持つ」ことは、自己中心的な考えに固執することなく、いろいろな人の声、意見を聞いて判断することによって、自分の事、他人の事を正しく見極めるためです。見聞きした知恵を自慢気に語るためでも、ひけらかすためでもありません。正しく見極めることによって、わが心身を磨き、鍛えることになります。

 今の時期ほど、正しい判断力、思考力、行動力を必要とすることはありません。漫然とした生き方では、不確実なニュース、情報、流言に惑わされてしまい、命を失い兼ねないからです。

「熟変」を目標にした日々の暮らし方の中に、わが身に必要な判断力、思考力、行動力が自然に具わる要素がいろいろと含まれています。
                          (本誌・特集班)

脳の働きを鈍らさないようにする

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 脳トレーニングの前に欠かせないことがあります。まず、全身を流れる血液を濁らせない食生活をしましょう。何歳になっても、始めることに遅いということはありません。前向きな気持が、そのまま食生活に反映するからです。

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