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◇コラム【健康マニアのケンコウ情報31】~ 冷えの種類と症状と 生活習慣を見直して 冷えを改善するお話 ~
近年は、冷たい飲食物やストレス、無理な減量と運動不足などで、身体を冷やす生活をしている人が多く、60年前と比べると、平均体温が約1度低下しています。
体温が1度下がると、免疫力は約30低下し、35度台の体温になると、ガン細胞が最も増えやすくなると言われています。
冷えて血流が悪くなると、臓器に必要な栄養や酸素を運べず、老廃物の回収もうまくいかなくなり、たるみや下半身太り、貧血、疲労、腰痛、肩凝り、頭痛、アレルギー、糖尿病、関節リウマチ、脳疾患、心疾患などの症状が起きやすくなります。
冷えには、5つの型があって、それぞれに特有の症状があります。
① 全身型=体内の熱生産が減って、新陳代謝が下がり、手足も内臓も含めて全身が冷える最も深刻な型である(症状=食欲不振、気力減退、疲労感、倦怠感など)。
◆ この改善方法は、次の通りです。
・ 早寝早起きをし、睡眠不足や寝過ぎをしない。質の良い睡眠をとる。
・ 軽めの有酸素運動や筋肉トレーニングをする。
・ 腹巻、レッグウォーマー、スカーフ、手袋、マフラーなどを身に付ける。カイロや湯たんぽを使う。
・ 冷たい飲食を避け、温かくて消化に良いものを腹8分目だけ食べる。
・ バランスのよい和食などをとる。
・ 体を温める食品や発酵食品などをとる(しょうが・人参・玉ねぎ・ごぼう・蓮根・じゃが芋・ネギ・ニラ・カキ・玄米・鮭・鯖・アジ・サンマ・納豆・キムチなど)。
② 四肢末端型=血液が手足の先まで巡りにくいので、手足が冷える。若い女性に多い。疲労や、無理な減量が原因の場合が多い(症状=しもやけ、立ちくらみ、ニキビ、月経困難、筋肉量低下など)。
◆ この改善方法は、次の通りです。
・ ウォーキングや、スクワットなどの筋肉トレーニングをする。
・ 湯船につかる(足湯や手浴も良い)。
・ 夜更かしをしない。
・ パソコンやスマホなどで目を酷使しない。
・ 乾燥果物や木の実や、黒い食材(黒豆や黒ゴマやひじきなど)をとる。
③ 上熱下寒型=血の巡りが悪くて滞った状態で、上半身がのぼせて下半身が冷えるが、顔のほてりで冷えとは気づきにくい(症状=頭痛、イライラ、顔のほてり、肩こり、肌荒れ、月経困難、便秘など)。
◆ この改善方法は次の通りです。
・ 深呼吸をする。
・ 下半身を温める。
・ 下半身の筋力を強化する。
・長時間同じ姿勢を続けない。
・ 身体を締め付けない服を着る。
・ 水分の取り過ぎや、きつめの冷房に注意をする。
・ 冷たい飲食、甘いもの、高脂肪の食品を控える。
・ 青魚、野菜、酢を積極的にとる。
④ 体感異常型=ストレスで自律神経に影響が出て血流が悪くなり冷える(症状=イライラ、食欲不振、胃痛、息が吐きづらいなど)。
◆ この改善方法は、次の通りです。
・ 気分転換をする。
・ 深呼吸をする。
・ スマホなどの長時間使用を避ける。
・ ヨガや太極拳、柔軟運動などのゆっくりした運動をする。
・ 長めの入浴やアロマテラピー(=植物から抽出した香り成分である精油を使って、心身を穏やかに回復し、健康に役立てていく自然療法 )などで気分をゆったりさせる。
⑤ 症候型=表に次の症状があり、裏に冷えが潜んでいる(症状=頭痛、腰痛、肩こり、アレルギーなど)。
◆ この改善方法は、次の通りです。
・ 腹部やみぞおちをカイロで温める。
・ 温かい食べ物をとる。
・ 冷たい飲食を避ける。
◎ どの型にも、むくみが出るとさらに冷えが強くなります。
むくみは、湿度が高い時期に、余分な水分が身体にたまり、むくみやすく
なる場合が多いです。
(本誌・高田秀子)
(参考:「冷え改善のススメ」岡本麻子監修)