見出し画像

表層地盤改良(バックホウ混合)の施工方法

表層地盤改良(バックホウ混合)の施工方法を詳細に解説します。バックホウ混合とは、改良深さGL-2.0mの範囲において適用される地盤改良工法の1種であり、バックホウオペレータの技術に大きく仕上がりが左右されます。ここでは、施工上の留意事項や改良剤の計算方法まで説明しています。

表層地盤改良(バックホウ混合)の施工方法
撹拌状況

表層地盤改良(バックホウ混合)の施工手順

土木・建築構造物を建設するとき、施工地盤が軟弱な場合は「地盤改良」を行います。地盤改良には改良地盤の深さに応じて様々な手法に分けることが出来ます。一般的な深さ別工法表を下記に示します。

改良深さ別の工法表

施工手順


ここでは、表層地盤改良(バックホウ混合)におけるセメント改良の施工手順を解説します。一般的に表層地盤改良(バックホウ混合)では、作業員・バックホウオペレータで対応するため特殊な資機材を用いることはありません。 
①  固化材の散布範囲検測
②  固化材配置による散布範囲の確認
③  固化材散布
④  固化材散布完了
⑤  バックホウによる攪拌混合
⑥  攪拌混合深度の確認
⑦  敷き均し・整形
⑧  転圧・締固め
⑨  仕上げ整形
ただし、本工法の施工仕上がりはオペレーターの技術力に大きく依存します。特に所定の深さまで確実に改良されているかどうかは現地盤では確認できません。そのため施工状況を細かく写真をとり、必要に応じて発注者立会による施工状況を確認してもらう必要があります。
 
改良深さを確認するために、改良地盤断面においてフェノールフタレイン反応を確認して検査する方法があります。ただし、改良地盤を痛めてしまう可能性があるため、土木・建築構造物の施工範囲外まで改良を行い、構造物に影響のない範囲で施工完了後に一時的に掘削を行い所定の深さまで改良できているか確認することが効果的です。
 
また、本工法の適用事例として改良範囲内に地下水位がある場合、適用不可となることに留意する必要があります。セメント改良のため地下水の影響がないケースで適用されます。事前調査で地下水位位置を確認して、改良深度以下にあることを確認することが重要です。

地盤改良( kg/m3)の 計算方法

ここでは、具体的に1平米あたりの改良剤の体積計算方法を解説します。施工会社は事前の地盤状況の検査により、改良深さ45cmを50kg/m3のセメント改良を行うように指示されたケースで考えましょう。
 
50kg/m3とは、1立米(1立方メートル)あたりのセメント量(改良剤/固化材)を示しています。現地盤を1m×1mのマス目で想定した時、各マスの改良体積は1m×1m×0.45m=0.45m3となります。これに50kg/m3を乗することで平米当たりのセメント量(改良剤/固化材)を算出できます。つまり、0.45m3 × 50kg/m3 =22.5kgで示すように、各マス目あたり22.5kgとなるようにセメント量(改良剤/固化材)を配置・攪拌混合すると良いのです。

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?