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かくれんぼ

 古今東西、遊戯は沢山ある。時代により、年代により、地域により、実に多彩だ。単純なものや、複雑怪奇なもの。独りで可能なもの、多くの人数を求めるもの。挙げていけば切りがない程に、私達の周りには遊戯が溢れている。

 今では子供の遊びとされるものの中には、曾て大人の間にも流行ったものもある。男女の目合いに関わる事はやはり人気になったようだ。ある意味前戯の一部として、過程を愉しむものであったのだろう。

 かくれんぼは、基は中国の宮廷で派生したと言われている。日本に渡り、庶民の間に広がると、それは男女間での戯れに使われた。女が山に隠れ男がそれを探す。見付けた後の事は推して知るべし。時には二人手を取り姿をくらます輩もいた。名前の由来説に隠恋慕といったものがあるのはその為である。今の形になり子供の遊びとなったのは江戸時代の事だ。

 夜かくれんぼをすると鬼に連れて行かれる。隠し婆に連れて行かれる。晩に暗くなってからかくれんぼをすると、隠し神さんに隠される。

 夕暮や夜にかくれんぼをする事を戒める為に言われた言葉である。闇が降りれば感化される者も出る。所謂、魔が差すといった事だ。それは今も昔も然程変わらぬのだと思う。

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 ホラー小説の書き出しに使おうとしたのですが、無くても良いと思いカットした文章です。消してしまうには少し惜しいので、こっそり残しておきます。小説は後日。

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