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確定申告は書類整理が9割~元経理課職員の教える楽ちん確定申告~
来年の今に備えよう
これからまさに2024年分の確定申告を行うための画期的なヒントを探しに来た方、ごめんなさい。
もう2024年の確定申告は諦めてください。けれども苦しい確定申告は今年で最後にしましょう。
2025年1月がまだ終わっていない今がチャンスです! 2024年の確定申告をやりながら、この苦しみをもう二度と繰り返さないために、2025年分以降の確定申告に向けた準備をしてしまいましょう。
申告そのものは難しくない
前提として、マイナンバーカードとそこそこ新しい普通のスマホがあれば、e-Taxを使った確定申告は難しくありません。少なくとも社会人として普通にやれている人であれば、画面の指示に従って入力していけば必ず一日以内に終わります。
ただし、一日以内に終わるのは必要な書類がすべて手元にあるという状況下でのこと。いざe-Taxにつないでみて、あれがないこれが足りないとやっていると疲れるし部屋が散らかるし、終わりません。
確定申告を一日でやっつけたければ、そこまでの日常生活のなかで
「必要な書類がすべて手元にあるという状況」を作ってしまいましょう。
細々したレシートから住宅ローンの書類まで、確定申告に必要な書類は手元に来た瞬間に整頓して保存するのです。細かい事務の総量は増えますが、最後の最後に1年という長い期間分の探し物をするよりはずっと楽です。
この記事では
必要な書類が手元に来た瞬間に整頓して保存する
方法を説明していきます。
申告に必要な書類の基地を作る
必要なものを準備しよう
用意するのは、
1.ファスナー付き塩ビポーチ
2.仕切り付きクリアフォルダー
3.A4クリアファイル(20ポケット以上)
4.ラベルライター または マスキングテープなどのテープと油性マジック
5.ステープラー
6.Googleドライブなどのストレージサービス
6番以外全部、百円ショップのもので十分ですし、すでに家にあるもので構いません。
レシートは、買い物直後にファスナー付きポーチに入れる
ポーチ、または毎日持ち歩くカバンの特定のポケットをレシート入れにします。このポーチの中身は週に一度、取り出します。期間よりもあまり量が多くないうちの処理を意識してください。
費目ごとの仕切りを付けたクリアフォルダーに片付ける
クリアフォルダーの仕切りには費目ごとのラベルを付けておきます。簿記的に厳密なものでなくて構いません。
私が使っている8ポケットの項目は
食費、日用品費、医療費、本・小遣い、交際費・娯楽費、その他特別費
となっています。何も書いていない仕切りは時期によって自由に使っています。接待交際費が多くなる時期に会社関係とプライベート分を分けたり、家族旅行の代金は宿代も食費もお土産代もそこにまとめたりするイメージです。
週に1回、この仕切りごとに分けてレシートを片付けましょう。ざっくりと日付順に並べておきます。
「ざっくりと」と表現したのは、なかには規格外にサイズが小さいもの、大きいものなどがあるためです。日付順にこだわって取り扱いにくくなるくらいなら、規格外サイズは一番前か後ろに寄せてしまって構いません。
また通販で商品と共に届いた領収書などは、ポーチを経由せず、直接クリアフォルダーに片付けてください。
医療費の領収書には、通院に利用した公共交通機関の交通費もメモしておきます。ちりも積もればで、これらも医療費控除対象になります。タクシーや自家用車のガソリン代はだめですよ。
ひと月ごとにまとめ作業を
月が変わったら、クリアフォルダーの中身を費目ごとに取り出し、ステープラーでひとまとめにします。合計額を出し、一番上のレシートに赤ペンで書き込みます。
私はここで、ルーズリーフなど適当な紙に費目と合計金額を書き写し、カードの請求額や、レシートはないけれどお金を使った記憶のあるものもメモしておきます。
エクセルなどを使ってもよいですが、おそらく、チャチャッと適当に書くほうがハードルは低く、確定申告や家計簿つくりには十分な資料が準備できると私は考えています。続けられる方法ならなんでもよいですよ。
すべてのレシートに作業を施したら、ひと月分のレシートとメモ(あれば)を束ねて、今度はクリアファイルに保管します。
A4クリアファイルに、レシートやその他の書類を集めましょう
A4クリアファイルが楽ちん確定申告のキーアイテムです。
ここに一年かけて必要書類を集めていくのです。
この冬は2024年の確定申告をやつけながら、2025年の確定申告専用ファイルを作ってしまいましょう
何の書類をどこにしまうのか、あらかじめクリアファイルのポケットにラベルを付けます。
作るラベルは、
・1月~12月の各月名
・医療費
・保険料
・税金
・住宅ローン関連
・年末調整関連(源泉徴収票等)
・表紙に貼る「2025年 確定申告」などのタイトル
くらいでしょうか。
基本は、月ごとのポケットと、「医療費」「その他」の14ポケット程度でかまいません。
人によってはふるさと納税や、投資関連の資料などもあるかと思います。
まず1年使ってみて、ポケットの分け方は自分の使いやすいように変更していくのがよいでしょう。
ラベルライターを使うと綺麗ですし、来年分だけでなく複数年分の確定申告クリアファイルを作成するならとても楽ですが、はっきりくっきり書けるのであれば、マスキングテープに手書きでまったく問題ありません。(注:クリアファイルにマジック直書きは擦れや折れで意外とすぐにインク落ちしてしまいます)
月ごとに費目分け処理したレシートの束から、医療費に関連するものだけ取り除きます。医療費はクリアファイルの「医療費」用ポケットに、それ以外は各月のポケットに片付けます。
この作業は私は月初に前月分を行いますが、週ごとに行っても構いませんし、3か月に1回でも構いません。1年に1回より短い期間での作業の習慣化をまずはめざしましょう。
一部の書類はデータをストレージサービスに保存しておこう
ネットから自分でダウンロードしてくる書類も確定申告には必要です。住宅ローンの支払実績表やスマホ代などです。
また、保険会社等から郵送一回きりの書類(再作成には依頼が必要)も存在します。保険料の控除申告に関する書類は、年末調整のために職場に提出してしまうことが多いので、後から「全部で何枚?」「いくら分?」と調べたくても手元にない可能性があります。
原本の保管時にスキャンデータにしてストレージサービスに保管しておきましょう。後から見たい、と必ずなります。
その他、住宅ローン控除に係る書類も、住宅購入の直後にバサッとまとめて届いたものを毎年一枚ずつ使っていくのですが「去年どう書いたっけ?」が確認できると圧倒的に楽になりますから、職場に提出する前にスキャンデータを作成して保管しましょう。
すべては、来年再来年、楽をするためです。
他にもある細々した書類
確定申告で必要だろうなと思っている書類を一か所にまとめているつもりでも、いざ年が明けて作業に入ろうとしたときに思っていたところにないとか、なぜかもう一年前のが出てきてしまって首をかしげるとかいうことが、どうしても起こります。
固定資産税の納付書がまさにそれです。
PayPay払いなどを利用すると未使用の納付書が丸ごと残ります。一括納付用と、分割納付用で、ちょっとボリュームがある状態で残っているのを見つけると、「本当にちゃんと払ったっけ?」と不安になります。そこから各種カードの引き落としなどをたどって該当金額を見つけるのは非常にストレスです。無駄です。
PayPayでもクレジットカード払いでも、納付書に領収印などをもらえない方法で支払いをした場合は、払った瞬間、納付書に「●年●月●日 PayPayにて支払」などと書いてしまいましょう。クレジットカードを複数使っている場合はどのカードかわかるように書きます。
私は赤ペンで目立つように書きますが、不安なら鉛筆で構いません。付箋は、ほかの書類と揉まれて生き別れになる可能性がありますので、直接書くのをお勧めします。
保険料控除申告書もばらばらと届きます。下手すると同じ保険会社のものでも別日に、なぜかハガキと封書とか違うフォーマットで届きます。
自分の分と家族の分と、それぞれ複数の保険に入っていますし、自分の保険だけでも厳密に把握しきれていない人もいるでしょう。
何が届いたか届いてないか、年末調整の時点で会社に提出するためにいろいろ確認する手間がかかりますので、とにかく届いたものは全部このポケットに入れる!と決めておきます。可能なら受け取った日も直接書き込んでおきます。会社に持っていくために取り出した時にすべてスキャンしてストレージサービスに保存しておきます。ストレージには「202x年 確定申告」のフォルダを作っておいてくださいね。
ふるさと納税を複数の自治体に行っている場合も、やはり自治体ごとにばらばらの時期にばらばらのフォーマットで領収書が郵送されてきますので、すぐに一か所に片付けるよう意識しましょう。
まとめ
ここに片付けておけば将来の自分が困ることは絶対にない! という書類の基地を作れば、年明けから3月にかけてバタバタする必要はありません。12月が終わった時点で、年末年始休みを使って確定申告を進めていけるのです。また、書類が揃っていない=ポケットが空 の書類については、どこから取得するものか、これから先いつ頃に手に入るものかなどの確認を進めましょう。
さらに、来年の自分のためにも、できる範囲で構わないので作業手順などのメモを残して新しいクリアファイルを作成しておくと、毎年どんどん楽になっていきます。
おわりに
私は大卒後、経理課および経理関係のシステム運用に10年以上従事しており、経理の仕事を楽に間違いなく仕上げるためのコツを身をもって知りました。
大きな組織であれ中小企業、個人事業主であれ、経理仕事の基本は同じです。一気に帳尻を合わせようとしないことです。月次は当然のこと、日次、あるいは週次といった細かい期間で重要な数字を集計し、締めて――確定させて――しまうことです。組織体が大きく複雑な業務にあたるのであれば一日のなかで数回、一つの処理、特別ないくつかの科目ごとといった短い期間で数字を合わせるのです。
これが、期末に泣きを見ないで済むための最も確実で簡単な方法です。
あなたが、今後の人生において確定申告に苦しむことがないよう応援しています。
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![槙野 世理沙](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/32635205/profile_14feb19c4c3f1814da716b16c9c567b6.jpeg?width=600&crop=1:1,smart)