六本木クラス 平手友梨奈さん
3話見た。
葵が新に好意を抱き、かわいらしい表情を見せてくれるようになったからか、1~2話より随分楽しめた。
麻宮葵役 平手友梨奈さん
アイドル知識ゼロの私でもお名前は聞いたことがあった。
イソ役のオファーを受けた際に事務所を辞めたというエピソードを聞いて、
いいねーこういう人好き!
と思っていたのでとても期待していた。
また、「梨泰院クラス」の原作者が、
彼女が出演していた「響-HIBIKI-」という映画を見て、
イソ役に合っていると思い推薦したそうなので
ならば言うことなし、である。
顔
配役発表前、私はイソ役には伊藤沙莉さんがいいと思っていた。
理由は、
本家でイソ役を演じるキム・ダミさんも伊藤沙莉さんも童顔なこと。
それから、伊藤沙莉さんの演技力が確かだということ。(←超重要)
イソはソシオパスで激しめの性格ではあるが、
それをクールな顔つきの俳優ではなく
童顔のキム・ダミさんが演じたのがいいと思っている。
だから伊藤沙莉さんはぴったりだと思った。
その点で言うと平手さんはちょっとキツめのお顔かな、とは思った。
でもそんなイソも見てみたいという気持ちと、
単純に平手さんのお顔も好きなのと、
何より演技力でそんなこと吹っ飛ばしてくれればいいと思っていた。
そんな期待感を抱き放送開始を楽しみにしていた。
演技
1話1stシーン。
葵がクラブで踊っている。
英語での会話。
誤魔化して発しているからよく聞こえない。
台詞を誤魔化して発する俳優。
なぜ誤魔化すか。
それは自信がないから。
恐らく、英語にも演技にも自信がないんじゃないだろうか。
でも、流暢に話している「風」に見せないといけない。
その「風」を優先し、台詞を誤魔化した。
私はこの演技を「雰囲気芝居」と呼んでいる。
最近日本でこの「雰囲気芝居」をする俳優の多いこと。
これは韓国と日本の大きな差、のひとつ。
根拠なく韓国の作品が人気を得ている訳ではないのだ。
「雰囲気芝居」では、俳優の自信のなさが透けて見え、
その登場人物自体の見え方が弱くなってしまう。
台詞の発し方だけではない。
最も重要な、い方。
これは説明が難しいのだが、
その場での、い方、立ち方、存在の仕方…と言ったりする。
やはりしっくりくるのは、い方、という表現。
そんなことを彼女が意識したことがあるかどうかは別として、
ヒョロヒョロ、フラフラ、地に足がついていない、頼りない、
といった印象だった。
これにも当然自信のなさは影響している。
結果無駄な動きが増えるためそう見えてしまう。
最も残念だったのは、表情がしっかり見えなかったこと。
数回見返して、あ、このカットは割と顔見えてたのね、
と気づいたところもあったけれど、
初めて見た時は、顔よくわかんなかったな、という印象だった。
結果、不貞腐れたヒョロい若者に見えた。
残念。
「梨泰院クラス」のこのシーンはカウンセリングルームだった。
「世界が滅びればいい」「全部面倒臭い」
言っている内容は同じだけど人物の印象がまるっきり違う。
キム・ダミさん演じるイソは、
若くて可愛いが芯があり魅力的な人物に見える。
表情もよく見え、
とにかく(俳優としても役柄としても)い方が堂々としている。
このコ面白そう!と思わせてくれる。
ちなみにキム・ダミさんの素顔はイソとは対照的で、
周りが「あれ、わたし嫌われてる?」と不安になるくらい
かなり物静かな人なのだそう。
それでこそ俳優。天晴れ。
日本語台詞に関してもはっきりと発せていない部分が多々ある。
語尾や文中のちょっとした名詞等の台詞が前に出ていない。
それは日本語のわからない外国人スタッフには気づけない部分。
日本のスタッフが気づいて指摘しないといけない。
そしてそれは指摘されないと俳優自身では気づき辛い部分でもある。
俳優は記憶した台詞を発しているから。
そして自分では聞こえているから。
前後の文脈から大体何と言っているかわかるからいい、
という話ではない。
見ている人に自分の台詞が届いていないこと、
察してもらっていること、
を自覚しないといけない。
アレンジは元があってやること。
ナレーションは聞き心地がいいので、
決して「できない」のではなく、
「知らない」だけ、
なのだと思う。
だったらいいなと思う。
前回の記事で書いた通り、
「梨泰院クラス」と「六本木クラス」には
私調べで約390分もの尺の違いがある。
そのため各シーンかなり短縮されているし、
丸々ないシーンも多々あればいない登場人物もいる。
ちなみに「六本木クラス」の1話1stシーンは約1分15秒、
「梨泰院クラス」の同じシーンは約2分30秒ある。
私の算数能力が確かなら、倍だ。
それは致し方ない、と聞き分けのいい大人のふりして諦めるとして、
寸足らずの短縮されたシーンで表現するには、
俳優のい方、見せ方はより重要だということ。
それは当然俳優の仕事であるけれど、
結局のところ演出家の力量だと思う。
3話放送終了後、一部で話題になっていたのを目にしたが、
キスシーンも堂々とやり切ればいい。
俳優なのだから。
「六本木クラス」3話の新とのキスシーンは、
「梨泰院クラス」でも肝心なところは見えないアングルだった。
決してアイドルファンに配慮したのではなく、
本家に忠実に撮ったまで、だと思う。
大人たち
イソ役のオファーが来た際に事務所が渋った理由を記事で読んだ。
読んだ結果一抹の不安がなかった訳ではないけれど、
事務所を辞めてまで受けるくらいだからいい仕事をしてくれるだろう、
そもそも本人がそんなにやる気なのに事務所の大人たちは何なんだ?
そんな事務所辞めて正解!
と気にする必要はないと思っていた。
いい俳優=聞き分けのいい人
では決してない。
むしろいい俳優は難しい人が多いのではないか。
気分屋で繊細で感受性が豊かすぎるくらい豊か。
だからこそ想像力も豊かで魅力的な俳優になれるのだと思う。
演技をしていて、
こんなので本当にいいのかな?
とどこかで思っているけど、
周りの大人が「いい」と言ってくれるからいいんだろう、
とやり過ごしているのではないか。
その大人たちは本当に信頼できる人たちか?
見極めて欲しい。
結局私は平手友梨奈さんが好きだ。
ルックスも、クールな雰囲気も、葵のファッションの着こなしもいい。
そして何より、
事務所を辞めてまで引き受けたその心意気。
きっと大人たちを困らせる人なのだろう。
そこがいい。
しょうもない大人たちの言うことなんか聞かなくていい。
アイドルの彼女を私は残念ながら知らないけれど、
カリスマ性がある等、高い評判は耳に入っている。
これからはぜひ演技を、どうか、間違いのない人から学んで欲しい。
そして、アイドルファンだけでなく、
映画ファン、ドラマファンも楽しませて欲しい。
クールで尖った雰囲気はもう十分に見せた。
恐らくそれは平手さんの得意分野。
でもここからはそれだけではやれない。
愛する人の夢を実現させるため、
また自らも愛と仕事の両方を手に入れるために
奔走し変化していく葵の喜怒哀楽を、機微を、
豊かに表現してくれることを期待したいと思う。
他
1話1stシーンで外国人の友達に言った「バーイ」、
合コンの帰り際に言った「バイバイ」、
がなんだか好きだった。
今後の「バイバイ」も、可愛さ、憎たらしさ、サバサバさ等の塩梅に注目しながら見たい。