いきなり一行目から書く物語制作術 を読む
貯めていた、いきなり一行目から書く物語制作術を読んだ。うさぎのたまごさん、一発で名前覚えて、それから本屋で見つけると嬉しくなるようになった。一行目で物語というのは「味」が決まる。この味というので物語の行く先がようやく見えてくるかもしれないのであって、文章を書くというのはそもそもが考え事に近いのだから、ひとつ、具体的な物をでは置いてみて、それが気にいるか気に入らないか、書き手がその物語を気にいるかどうかでさえ、そこでようやく分かることなのだ、と僕は読んだ。
この味、という表現がまず好きで、抽象表現大好き人間なので、ただこの場合はやっぱり味ってのがビタッとはまっているのが小気味良く、これも一行目での吟味の賜物なのかと思った。
僕は最近、書き出すまでに手間取っても書き出してから手が止まることはあまりなくなったな、それを漠然と成長とは捉えていてもなんでそうなったのかはいまいちよくわかっていなかった、ただ本作を読んで、俺が今待っているのがしっくりくる「一行目」だけになったからかもしれない、多分そうだ、と思った。
一行目は少なくともどんな人にも読んでもらえる、逆に(?)一行目でしっくりこないようなものを世に売り込む必要はない、という、このあたりの一行目を書く理由のような、付加価値のような論理にも勇気づけられた。