甘いDream10000ぐらむ
果てがないような気がする。ゆるやかにのぼっていくばかりで、終着地が見えない。致死量の甘さと戯れる心に背徳感が話しかける。と同時に風が止む。そうだなぁ。とか考えるふりをして、私はまた偶像崇拝してるミルクチョコを口に頬張った。
どうせならチョコレートと一緒に最期を迎えたいわ。来世はキラキラ輝くグラニュー糖みたいに散らばって、クッキー生地の上で儚い余生を謳歌したい。命よりよっぽど神秘的。実際私が雲の上で乱気流にのまれるなんてヘマしなければ、人間活動なんか始めなくて良かったのにさ。だからお母さんっていう人よ。心配しないで。生まれてきたことあなたの気まぐれだなんて思ってないよ。私は私の気まぐれで命と鬼ごっこしてるだけなの。
ある朝ホットミルクを作って椅子に腰かける。チョコレートを浸して白と茶色がワルツを踊ると、また背徳感が私に話しかけた。そうだなぁ。なんて考えて、口元を解く。私は今日。甘いドーナツの輪っかに囚われて、金平島へ逝くの。そこでグラニュー糖の一員として幸せに暮らすのよ。もしかして砂糖社会にも序列があるのかしら?だとしたら命よりよっぽど奥が深い。
致死量の甘さでのぼっていく
終着地は金平島。
命を追い越していくよ。