「虎の威を借る狐」が教えてくれる、生き抜く力の物語
はじめに
皆さんは「虎の威を借る狐」という故事成語をご存じでしょうか。
この言葉は、一般的には「他人の権威を利用して威張る」という意味合いで使われます。
自分自身の力や能力ではないのに、あたかも自分が偉い存在かのように見せかける――そんな様子を表す言葉として定着していますよね。
しかし、この物語の本筋を辿ってみると、もう少し奥深いメッセージに気づかされます。そこで今回は、『戦国策』の逸話として知られている「虎の威を借る狐」のあらすじに沿って、物語の中に秘められた教訓について考えてみたいと思います。
まずは、あらすじを簡単に振り返ってみましょう。
多くの方が抱く印象は、「狐が虎の権威を上手に利用している」という点かもしれません。しかし、別の視点から見ると、この狐は「知恵と機転を使って死の窮地を脱した存在」とも捉えられます。
狐の“知恵と機転”とは
狐は、ただ怯えて逃げ回るだけではありませんでした。強大な存在に捕まった状況で、なお諦めずに「どうしたら助かるか」「どうすれば生きのびられるか」を必死に考え、あたかも自分が“特別な存在”であるかのように虎を納得させることに成功しました。
僕は、この姿勢こそ「虎の威を借る狐」のもう一つの教訓だと解釈しています。きっと、狐にはどうしても守りたいものや、絶対に失いたくない未来があったのだろう――だから最後まで、“生きたいという執念”を捨てず生き抜く方法を考えることを諦めなかった。
そんなふうに想像すると、「狐が虎の権威を上手に利用している」という意味以上のメッセージを感じます。
逆境に陥った時こそ
僕も、これを読んでくださっている皆様も、これから先の人生で、「もうダメかもしれない…」と感じる瞬間があるかもしれません。苦しい状況に追い込まれたり、逃げ場がないと思い込んでしまったり。
けれども、その「もう無理だ」と思うギリギリのところでも、視点を変えれば、新たな知恵や突破口が見えてくる。そんな教訓の話として、記憶の片隅においてもらえると嬉しいです。
たとえ、格好悪くても、人から非難されても
抗って、抗って
必死で考え、あがき、生き抜く
僕は、これからもそういった生き方を貫きたいと考えています。