【日大通信Sメディア】哲学６

・動画を参考にして、  ニーチェが述べた「超人」を説明してください。
 「超人」は、永劫回帰の概念を受け入れる。永劫回帰とは、現実世界が絶え間なく変化しているように見えるものの、実際にはすべてが同じことの繰り返しであり、それが永遠に続くという考え方である。この概念を受け入れることにより、善悪の絶対的尺度が存在しないことが明らかになる。神が死に、価値や意味をもたらす普遍的な基準が失われた世界において、超人はその無限の繰り返しを肯定的に受け入れ、むしろその中で生きる意味を見出すのである。
さらに、超人は「大いなる正午」の状態に到達する。これは、太陽が真上にきて影が消える状態の比喩であり、善悪の差異が消失した状態を示している。この状態では、光と影、すなわち善と悪の区別がなくなり、価値の枠組みを超えた生き方が可能となる。超人は、善悪を超えてすべてを受け入れ、無限に繰り返される世界の中で自己を肯定的に表現し続ける存在である。