![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159755837/rectangle_large_type_2_d3cdb86fcb76667a45451f3a3ebf2920.png?width=1200)
【転職記】社内のお困り相談室〜事業会社社内SE編〜
こんにちは!この記事は、私の転職のきっかけと働いて気付いた点について、私の経験をもとに書いていきます。
今回は3度目の転職、事業会社社内SEでの経験について書いていきたいと思います。
コンサル編の記事はこちら
1.事業会社社内SEって?
何かしら事業を行っている企業のIT部門を指すことが多いです。
例えば、小売業の販売管理システム、物流管理システムなどを導入、保守、ユーザーへの教育・フォローを行います。
人事、給与、労務の社内システムも含まれ、企業が使用するシステム全般に関わる業務を行います。
2.なぜ事業会社社内SEなのか
前職のコンサルのクライアントは基本的に事業会社であり、ITに関連する支援をしていましたが、外から支援するのではなく、中から支援できるのは事業会社の社内SEと考えたからです。
日本の事業会社はIT人材が少なく、外部のベンダーに頼りっきりな状態であることが多いです。
この点は数年前から問題視している企業が増えてきた印象で、各社内製化を進めるためにこぞってIT人材の確保に動いています。
この動きは今も変わっておらず、売り手市場であることで需要があるポジションであることもあり、事業会社の社内SEを目指しました。
3.得たこと
ITの課題は多い
これまであまりITに投資してきていないのか、10年以上前のシステムを使い続けており、当時から事業のスケール、キャッシュポイントが変わっていても対応しきれていないのが現状です。
その為、余計な業務があることで、本来注力すべきことに割く時間がない、かと言って人を増やすのにもコストがかかるので機会損失を招いていることが多いです。
課題の例としては下記があります。
・業務効率化
どれだけ手作業をシステム化できるかを検討、実現する。
・データ分析
事業経営して蓄積したデータを活用するためにDWH(Data Ware House)にデータを溜め、BI(Business Intelligence)で分析する。
・リアルとネットのシームレス化
小売業であれば、店舗とECの垣根をなくして、ECで購入した商品を店舗で受け取る等、OMO(Online Merges with Offline)を推進する。
事業部門のITスキル
ここが一番の衝撃でした。
これまでITスキルがある前提の職でしたので、ITに全く精通していない担当者とのやり取りはあまりありませんでした。
しかし、ここはITではない事業会社。ITで売上を得るわけではないので、極端な話、事業にITの知識は必要ないのです。
その為、これまでもシステムを使って事業運営しているにも関わらず、システムに関する問い合わせが止みません。
PCスキルも同様で、メールが送れないからExcelでの集計方法まで様々な問い合わせがあり、思っていた以上にITスキルが低いです。
外部アクセス可能なシステムを持っていると、外部企業からの問い合わせもありますが、似た様な状況です。
IT業界でなければ、上記のITスキルで横並びです。
それをフォローすることが仕事。言うならば、「社内のお困り相談室」。
事務作業が多い
これまでは、稟議申請や契約手続きはほとんど上の立場の人たちの仕事でしたが、大きなものから小さなものまで担当が申請して、上長に承認をもらう、そして請求書を経理に渡すところまでが業務範囲でした。
多くのシステム、ベンダーを持っていると、それらの対応だけでもかなりの時間を要するので、本来やるべき業務に集中できないこともあります。
これは、ITの部署の人間が少ないことにも起因していますが、作業分担がうまくできず、できる人がやるスタンスと言う感じでした。
マルチタスクが基本
業務改善の企画、システム導入、運用・保守、事務作業と、限られた人数で対応しなければならず、日々マルチタスクで仕事をする必要があります。
そして、日々消化されていくタスクなので、管理もおざなりになりやすく、忙しいと対応漏れが発生することも珍しくありません。
マネージャーと言っても、大体がプレイングマネージャーなので、しっかりとした管理は難しいです。
(これは持論ですが、プレイングマネージャーに管理しろと言っても無理です。プレイングの方が比重が大きくなりやすく、専任のマネージャーを配置できないからプレイングマネージャーなのだから…)
4.メリット・デメリット
メリット
1.事業の最前線で仕事ができる
2.業務システムを担当すると事業の在り方、ベースの考え方が身につく
3.業界のモノのカネの流れを理解できる
4.コンサルや上流の転職がしやすい
5.システム安定後は毎日定時退社可能
デメリット
1.開発スキルは身につかない
2.一つのことに集中して仕事をすることができない
3.なんでもわからないと聞いてくる人たちの相手をすることがある
4.開発に戻るのは大変(プログラム開発志望だと浦島太郎状態になる可能性も…)
5.まとめ
社内SEと言えば、それなりの給与でまったり働く職場と言う印象でしたが、正にそんな感じです。
IT投資が少ない企業だと、社内のコールセンターという感じで、退屈、何回言えばわかるんだ、みたいにイライラする人もいそうです。
IT業界を走り続けてき人なら、周りのITスキルはお察し状態ですので、小さなありがとうを聞きたいのであれば適した環境かもしれません。
ただし、クリエイティブな仕事をしたいならおすすめはしません。
黙ってSIerなどの開発部隊がある企業に行きましょう。
将来的にコンサルに行きたい、この業界で起業したいと言う方にはおすすめです。
実際に経験して、事業の根幹を理解していることは、何よりもアドバンテージになります。
今回で私の転職記は終了です。
これからは、ここまでの4回分のバックグラウンドをもとに、転職やキャリア構築術などを書いていこうと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!