猫派 犬派 父の一言
三歳頃、家族が長屋に住んでいた。そこにミイという仔猫がいた。
ある日、ミイがいない!
兄弟四人大捜索。丸一日見つからない。
戸締りなどするような地域では無いため逃げちゃったんだと、諦めた翌朝
姉の勉強机の引き出しからニャンと出てきた。
当時私のお気に入りのご飯は味噌汁ぶっかけご飯かかつお節をのせたごはん茶碗に醤油をかけたネコまんま。
別の日、家の前面の小道で日向ぼっこをしてると向こうから大きなシェパード(立派な野良犬)が。
怖いという感覚は当時なかったと思う。
シェパードはそのまま私の真上に。
柔らかい肌がむき出しのお腹が生温かく私を下にしてお座りしたらしい。
それを見た母が叫びながら追い払ったのは言うまでもない。(姉たちも見ていてその興奮を後に教えてくれた)
シェパードの優しさと柔らかいお腹の感触が結構気持ちよかったようなボンヤリ感がある。
幼稚園に通う頃はアメチャン(アメリカ駐留軍)の居住後の外人ハウスに住んだ。
そこにはコロという、白い仔犬がいた。
小さいもの同士二人は仲良かった。
兄弟で散歩に連れ出した時、私がつまづいて転んで膝を擦りむいてしまった。
ゥワンゥワン大泣きしていたらコロが近寄り膝を抑えていた私の手の甲をペロペロしてきた。
コロはその後私がウソ泣きして足をさすっていると必ずペロペロしてくれる。
小学生の時、兄と二人きりの夜、コロが痙攣して泡吹いて死んだ。
さすがに怖かった。
中学の兄は泣きながらダンボールに新聞を丸めて底に敷いてコロをそこに寝かせフタをした。
裏山に運んで穴掘って荼毘にふした。
夜一人で外にいる事自体が怖いのに死んだコロを運び出すこと自体私は考えも及ばなかった。
怖々と兄に「コロちゃんをどうしたの?」と聞いたら「穴掘って埋めたよ」と泣きながら教えてくれた。
ある日、シャムの仔猫が家にやって来た。
可愛かったが喧嘩ッパヤイ性格でいつも飛びかかってくるので腕はいつも傷だらけ。
母は背中や肩が生キズが絶えなかった。
だからだろう母は爪切りでシャムの爪を血が出るくらいcutしていた。(倍返しか)
しかし、シャムも暴れる暴れる。
母の腕は更にキズが増えたのは言うまでもない。
中学の頃、父と話をした。
「猫と犬はどっちが強いと思う?」
そりゃ犬だ! 私は当然のように主張した。
犬派寄りの私は疑いもなかった。
「ライオンと犬なら?」
そりゃライオン!
「ライオンはネコ科だったかな?」
私はハッとした。
「猫は独りにしても平気だけど、犬はノイローゼになるんだよ」
へ〜。
「お父さんは猫が好きだな」
何気ない会話の後
私はどちらかというと猫派に傾いたのは言うまでもない。
犬も可愛い。
でも猫が好き。
しかし、誰かの一言で左右されるって事が何だか不思議だな〜。 という話でした。
(*ˊ˘ˋ*)。♪:*° 缶。