【ファイル.08】 さぁ開演です。
扉 (幕開け) 上がり框 (舞台)
玄関 それはリアルなステージ。
ここのお宅は玄関開けっぴろげ(扉が開いたまま)
一応、横の壁のインターホンを押す。
四歳ぐらい?
坊主頭の男の子が廊下からテケテケテケとやって来てへへへーと荷物を受け取ろうと手を伸ばす。
その顔は鼻下がカピカピで青バナを垂らしてニッコリしていた。
(め、珍し! 私が幼い時や学生の時の友人の弟かテレビで見た位の、とてもレアな出で立ち)
すぐに後ろから小学三年生位のお姉ちゃんが飛んできて、「アンタはダメ!」私をキチンと見て「あ、スミマセン、私が受け取ります」と
トトロのサツキのようなしっかりな女の子。
いや、これはとても重たいよ。
そう言うと
「では、ここに置いて下さい。 印鑑押しましょうか?」
さすが! テキパキ。
靴箱の際の木目調の床に荷物をヨイショと置き伝票を渡すと、ココですか?と言いつつ捺印して返してくれた。
弟くんはお姉ちゃんの言いつけ通り大人しくしてこのやり取りを見ていた。
「お母さん! 受け取ったよー」
家の奥からお母様の声が
「スミマセンねー、また宜しくお願いします」
「あ、いえ! ありがとうございました!」
私もそう返事を返すと
サツキ姉はお辞儀して私を見送った。
私も無言でペコリ。
お宅を後にした。
家自体が商売しているので客相手の対応が手馴れている。 そんな親の姿を真近に見て物怖じせずあのサツキちゃんは(仮に命名)育っているのだろう。
よその子ですが将来が楽しみです。
真っ直ぐ育って欲しいものです。
(*ˊ˘ˋ*)。♪:*° 缶 2024.1016
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