古き良き「親父の小言」
私が詩吟を始めて九年になるでしょうか。
来週の9/3(火) 奥伝審査大会があります。
無事通れば、月から 山を冠した名を頂けます。
所属する会の宗家会長並びに役員の皆様は高齢でありながら手弁当で団結して運営をされています。
傍から見ても組織の末端までよく気を配られてるようですし後継の育て方まで厳しくも包容力を感じます。それは会長の折々の挨拶からも伺い知ることが出来ます。
以前「詩吟の大会」の中でも
この会のT先生を紹介しましたが
並みいる役持つ方々を率いる宗家会長が
平成28年5月号の会の冊子「吟友」の中で
古き良き「親父の小言」の一部を掲載されました。
「親父の小言」
愛息へ贈ると題して
「朝は機嫌よくしろ。 人には腹を立てるな。
恩は遠くから返せ。 家業に精を出せ。
ばくちは決して打つな。 自らに過信するな。
何事も身分相応にしろ。 泣き言は言うな。
神仏はよく拝め。 人の苦労は助けてやれ。
年寄りはいたわれ。 難渋な人に施せ。
貧乏は苦にするな。
けがと禍(わざわい)は恥と思え。
万事に気を配れ。 産前産後は大切にしろ。
家内は笑うて過ごせ。 義理は欠かすな。
大飯は食うな。 大酒は飲むな。
年忌法事をしろ」等々。
私がこの冊子の内容に気づいたのは五年ほど前です。 溜めていた冊子を何気に読み返していた時に見つけました。
「親の小言と冷酒は後で効く」という言葉も添えらていました。
今年の10月で父が亡くなって16年。
生きていれば92歳。
T先生より歳下です。 ( i ꒳ i )……。
家族の大黒柱である父親
父の威厳
語り継がれていた怖いもの
地震、雷、火事、親父。
今や、臭い、キモイ、濡れ落ち葉、粗大ゴミ扱い。
時代の移り変わりが激しい現代
多様化、男女格差、ジェンダーなど呼び方の違いはあれど基本双方ともに労る姿勢を見せること。
行政の在り方もその姿勢に寄り添う事と思う。
しかし、それらも、昔から一部では心ある地方では小エリアでは心掛けて機能はしていたと信じたい。
(弱気を助けるという思想の意と、個人として小さくても良心は備わっていると思いたい)
そして、この小言の出処は
「家業に精を出せ」とあるように、家族経営の商家の家訓から派生しているとも思える。
社会の縮図である最も小さな単位の商家。
その小さき目の行き届き易い環境でさえ、疎かにしてはならない言葉の数々。
家訓から小言という形に変わり戒めとして今に遺った。
そして、それは現代の社会の礎石としての地造りを指し示してるようにも感じる。
(大袈裟かな? (*´艸`))
「けがと禍は恥と思え」などは、災いの天災とは違って心がけを疎かにした結果の「怪我や不注意(想定できた損失)」を恥と思え、との示唆と受け止める。
皆さんも一目置いて一行でも一考されては。
何かのお役に立てれば幸いです。
今後も如何に時代が移ろうとも
「親父の小言」にある精神は
家族を思う、愛するという視点でも己に自戒を込めるという意味でも決して色褪せる言葉ではないと信じる。
この心が沢山の人に届くとどんな社会になるのか、いえ、そんな受け身ではなく、1mmと言わず大きく良い方向に転換されると強く信じたい。
(*ˊ˘ˋ*)。♪:*° 缶 2024.0828