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好きな馬の話

唐突ながら私が競馬を好きになったきっかけの馬はペルーサです
2010天皇賞秋、父親が競馬新聞を広げ、私は一頭好きな馬を選べと言われ、この時まだ私は物心着いたばかりの子供でしたが、水色と白のシンプルな勝負服と綺麗な栗毛に惹かれ、ペルーサを選びました。
ゲートが開くと同時に私の目に飛び込んできたのは出遅れたペルーサでした。幼ながらにも「あぁ、もうこのお馬さんは上位には来れないな」と確信したのですが、直線に入ると最後方にいたペルーサが猛然と追い込んできたのです。結果としては1番人気の女帝ブエナビスタの完勝に終わりましたが、私は直線だけで最後方から2着に追い上げたペルーサの姿に強く惹かれました。いわゆる脳を焼かれてしまったということです。
それからというもの、毎週の重賞は父と一緒にテレビ観戦するようになり、競馬大好きな変態のガキが生まれてしまいました。
そんなこんなで競馬にハマった私ですが、私の競馬人生の最大の推しは、無敗で三冠牝馬となった唯一の馬、デアリングタクトです。私が彼女のレースを初めて見たのは二戦目のエルフィンSでそこから私はデアリングタクトの末脚の虜となりました。そんな中でも引くぐらい強かったレースが牝馬2冠目のオークスです。これは映像見てもらいたいんですが、直線半ばまで進路がなく、差し損ねる未来が見えたその瞬間、えげつない加速で前を行くウイン2騎をあっという間に抜き去っちゃいます。
もうとにかく見てください!
https://youtu.be/ZsUCt_6ok2k?si=83ZKRFEELsqwQLQl
その後三冠を達成し、ジャパンカップでの夢の三冠馬対決を3着し、この年を終えるのですが、翌年の香港遠征後、繋靭帯炎を発症したことが報じられ、デアリングタクトは1年の休養に入りました。休養中も同じエピファネイア産駒のエフフォーリアの台頭やコントレイルの引退など様々な出来事がありましたが、デアリングタクトがいない競馬界は私にはどこか寂しく感じられました。その翌年、デアリングタクトがヴィクトリアマイルで復帰するというニュースを聞いた私は、跳ねるように喜びました。結果は6着、ソダシやソングラインというマイルの一線級のメンバーレベル相手に大健闘したと思いましたし、ターフに戻ってきてくれたことがとにかく嬉しかったです。しかし、続く宝塚記念は3着、オールカマーは6着、エリザベス女王杯も6着とそれぞれ敗因はあったように思えますが、3歳時の爆発的な末脚は鳴りを潜めてしまったように見えました。そして陣営はエリザベス女王杯から中1週でのジャパンカップ参戦を発表しました。この過酷なローテもあり、「もうGIを勝つのは難しそうだから引退させた方がいいのではないか」という声が大きくなっており、そして鞍上がデビュー戦から轡を取る松山騎手からマーカンド騎手に変わることも話題となりました。最初は松山騎手とのコンビで復活して欲しい気持ちもありましたが、デアリングタクトの復活のために陣営も何とかしようと本気であることが伝わってきました。迎えたジャパンカップ、デアリングタクトは終始後方を追走し、直線に入ると、マーカンド騎手の派手なゴーサインが出され、残り400から進路が空き、3歳時を彷彿とさせるような末脚で追い込んできました。この時の私は音割れするぐらい大きな声で声援を送っていました。しかし、さあ前の馬たちを交わそうとした瞬間、進路がカットされてしまいそのロスが響き、結果的には4着に終わってしまいました。そのロスがなければ勝っていたんじゃないかと思うと悔しくてたまらなかったですが、あの頃の末脚が戻ってきたレースを見れた、それだけで私には満足でした。
その後、デアリングタクトは繋靭帯炎を再発し、このジャパンカップを最後に引退しました。ファンとしてもう一度デアリングタクトが勝利する所を見たかったですが、これから先に血を残すのも仕事、デアリングタクトの仔がいつかターフを走る時が来たら、全力で応援したいと思います。こういう好きだった馬から何代もストーリーが繋がれていくのも競馬の醍醐味だと思います。
今回は2頭の好きな馬の話をつらつら書かせていただきましたが、皆さんが現在推されている現役馬が無事に活躍出来ることを祈りますり

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