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子供の命はその子のものです

今日ネットニュースで呼吸器を付けた子の母親が我が子の呼吸器を取って窒息死させたという記事を読みました。
昨年はタンの吸引が必要な子を家に置いて母親が長時間外出して、子供がタン詰まりで亡くなったニュースがありましたね。
コメントをみると、母親の苦労を慮り生まれる時に医療に救われた命をそもそも救う必要があったのか?という意見を見つけることがあります。救えるものをとにかく救うのではなく、その先介護をすることになる親の気持ちを聞いた上で敢えて死なせてあげる道も考えよう、みたいな。

私は逮捕された母親達と同じ医療ケアのある子の母親として、この意見には強く反対します。
あくまで母親目線で、子供の命を諦めた母親が、その先幸せになれるかと思うとなれないだろうと思うからです。

助かっても介護が必要になると予想される子の命をどうするか親が選択出来る世の中でうちの子が生まれていたら、私は子供を死なせていました。夫が止めてもそうしていました。
うちの子をがうまれた時、私はまだ二十代半ばの自由気ままに生きる若者でした。親に本当に母親になれるのかと心配される程、同じ年頃の人と比べても幼い人間でした。
そんな娘にいつまで続くか分からない介護を背負う覚悟なんて出来ません。医療的な知識もなくどんな苦労があるのかも分からず、ただ漠然と大変だというイメージしかないのですから、無理ですとしか言いようがないです。

では、子を亡くした後の私はどうなっていたでしょうか。
もう子供をもつことを諦めたでしょう。
乗り越えて新しい家族を迎えられるような強さはありません。
ずっと、仕方がなかったと思いながら、でも私が助けてと言えば助かった我が子を自分が殺したんだと、そんなことを考え続けてそのうち自殺したでしょうね。
子供の命を選択して誰が幸せになれるのか。

これまで介護を続けた母親の苦労はよくわかりますよ。私も同じ日常を送っています。
この方達にはもっと自分を大切にして欲しかった。
お子さんは障害者手帳を持っていましたよね。
訪問看護を使ってお子さんを看てもらってその間に寝て下さい。買い物に出かけて自分の洋服を買うのもいい。お酒が好きなら飲むのもいい。ゆっくり一人でお風呂に入ってもいい。医療的なことじゃなくても、訪問看護師さんに話を聞いてもらうことも出来ますよ。
それで少し落ち着いたら、お子さんのショートステイ先を探して下さい。そんな施設なかなか無いし、予約も取りづらいけど頑張って。
預けられたらその間は旅行にも友達と飲みにも行けますよ。緊急対応の電話が施設からかかってくるかもしれないので、お父さんに仕事を休んでもらっておまかせしましょう。
これが罪悪感なく出来るまでは先の事は敢えて考えず、今日を乗り切る事に集中して下さい。自分が元気になったら嫌でも考えるようになりますよ。

知らない人が見れば、障害のある子を人に預けて遊ぶなんてと言われるかも知れませんが、子供と自分が幸せに生きる為です。気にしないで下さい。そんな声を気にして、自分は子供に愛情を持ってないんじゃないかと思い悩むかも知れませんが、子供が生きていける環境を整えているだけで充分お子さんを大切にしています。自信を持って。障害児の親、私達を支えてくれる人は分かってますよ。

つまり何が言いたいかというと、お子さんと生きて欲しかった、ということです。



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