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#13 南向き信仰

戦後昭和30年に日本住宅公団が設立され、日本中にコンクリートの団地が大量に建設されました
これは昭和50年頃まで続いたのですが、全国には板チョコのような団地が綺麗に”南を向いて”並行配置され、それぞれの間隔も等間隔にならべられています。

団地においては、全ての住戸に”平等に”日照を確保することが求められた為だと考えられます。また冬至の日照を元に南側の棟の高さから棟間の距離が決まっています。

このような団地は今なお残っており、耐震補強などがなされ新たな使い方をされているものもあれば荒れ果ててしまっているものも見かけます。


今回は団地について語りたいわけではないのですが、日本人は世界的にみても特に『南向き信仰』が強いと言われています。

この原因がどこにあるのかは分かりませんが、世界では南向きに拘らず眺めの良い方に窓を設けて自由に暮らす考え方をするところも多くあります。


地方都市の岡山においては、場所にも寄りますが周囲を自然に囲まれた土地はたくさんあります。もちろん住宅密集地は都会と変わらない状況ではありますが、土地の性格を活かすには時には『南向き信仰』に囚われない計画も可能なのではないでしょうか。


現在建築中の平屋の住宅は、敷地の北東に田園風景の広がる敷地です。
両隣は住宅に囲まれていることもあってここでは思い切って北東に大きな掃き出しの窓を設けて広い庭にドッグランを設ける計画です。

現在上棟して間もない段階ですが、田園風景を楽しめる住宅になりそうです。

今はまだ養生中で外を眺めることはできませんが、早くこれが外れて外を眺めるのが楽しみです。

完成時のイメージパースです。
ペットと共に自然を感じながら暮らすのも地方ならでは価値かもしれません。

それぞれの土地は唯一無二のもので、必ずその土地が秘めている良さがあります。
それを引き出すためには常識にとらわれない柔軟な発想も求められるように思います!!
そのためにはしっかり土地を観察して、そしてそこで住まう人がどのような暮らしが出来るのかを想像することが大切だと思います。

これから工事はドンドン進んでいきます。
気を引き締めていきたいと思います!!


ではまた


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