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#25 地方の工務店の考える気密測定をする意味

『気密測定』という言葉をご存知でしょうか?

家づくりを検討されている方は、耳にされたことがあるかもしれません。

気密測定結果はC値という値で評価されます。C値は家一軒全体で1㎡あたり何㎠隙間があるかという値です。
例えば1㎡(1m×1mの壁)あたり1㎠(1cm×1cm)の隙間があいていればC値は1.0ということになります。
ゆえにC値が小さければ小さいほど隙間が無いため断熱の性能も良くなるという考えができます。

よくC値が1.0以下であれば『高気密住宅』などと言われることがありますが厳密な基準はありません。

ちなみに有本建設では『気密測定』を新築の全棟で断熱材の施工後と完成時の2回実施しています。

ここまでは『気密測定』とはなんぞやということをちょっとネットで調べれば分かる内容をまとめてみました。


ここからが本題です。

有本建設が『気密測定』を2回実施している理由についてお話しします。

まずC値については窓の種類(引き違い窓なのかFIX窓なのか滑り出し窓なのか)によっても異なります。これは各サッシメーカーによっても異なりますが当然ですが開く窓よりも開くことのないFIX窓の方が隙間は小さいです。また引き違い窓と滑り出し窓を比較しても、滑り出し窓でレバーハンドル(音楽室の扉のように締め込むようなハンドル)を用いる方が気密性は高くなります。

気密性能を極端に高めるにはサッシの種類や大きさにも左右されます。極端に窓を少なく小さくすれば自ずとC値は小さくなりますが、そうではなく窓はしっかり取りたいという方も中にはいらっしゃります。

なのでC値自体には必ずしも具体的な基準を決めるのは難しいと言えます。
要はそれぞれの住宅によって求められる性能値には差が元々存在しています。

なので極端にC値が低い住宅が良い家とはデザインや好みにも左右される為、トータル的に完璧とは言えないところがあります。

では本題の『地方の工務店が気密測定をやる意味』についてですが、それは


可能な限り隙間をなくす為


です。

1回目の測定は断熱材の施工後に行います。その時にただ測定するのではなく、測定をしてみては、どこかに隙間がないかを探し出しその隙間を埋めてみては測定しを繰り返します。それを何箇所かの測定地点で行っていくと少しずつC値が下がっていきます。

『気密測定』をしながら隙間を探してそれを是正してより高い精度に仕上げていくのが、『気密測定』を行うのが本来の目的なのです。断熱材施工後に気密測定を行うのは、是正が可能になるのでこのタイミングで測定をするのが最も意味があるからです。

最終的に完成時にもう一度『気密測定』を行いますが、ここでも可能な限り是正を行います。


『気密測定』の結果であるC値は単なる通知表の評価ではなく、より気密性能を高める為の手段であると有本建設では考えています。

通知表を持ち帰ってきたお子さんに評価の高い教科に良かっね(パチパチ)と言うだけでなく、この教科は苦手みたいだから次はこの教科を頑張ってみようねと言ってあげる方が次に繋がりますよね。それと同じことです。

ちなみに先日行った現在施行中の平屋の家では断熱材施工後のC値は0.09でした。かなり大きな引き違い窓を設けていますが、良い結果に近づけなたのではないかと思っています。

ただ完成時のC値は、断熱材施工後のC値より悪くなるケースがほとんどです。今後の施工精度次第ではどうなるか分かりませんので最後まで気を引き締めて目を凝らしながら工事を進めていきます。

今回もコムズカシイお話をさせて頂きましたが、現場ならではの視点で『気密測定』について書かせてもらいました。

良かったら、ご検討中のハウスメーカーさんや工務店さんに

『どうして気密測定をするのですか?』

と聞いてみてください。

どんな応えが返ってくるかでその会社さんの良し悪しが分かるかもしれませんよ…



ではまた


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