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玉木氏は許されて、百田氏が許されないのはなぜか?


寄稿者:外山麻貴(とやままき) 朝霞市議会議員
 
玉木氏は許されて、百田氏が許されないのはなぜか?

政党党首の失言・スキャンダルに対する危機管理能力
 
ニュースにもなっていると思うが、日本保守党の百田氏が
国政政党になって早速
 
これはよくないこと、SFだけどと断りながらも
 
「女性は大学進学を制限して、結婚年齢も25歳までに制限して
30歳になったら、子宮摘出くらいのことをしないと、出産年齢に限界があることを認識して意識改革しないと少子化対策にならない」と発言して
大炎上した。
 
あさ8での発言だったが、全てのメインマスコミがニュースで取り上げ
海外にも報じられた。
 
最初は「切り取りだ」
「これはよくないことだと3回も断ってから発言している」
「SFだから仮定の話だ、アホは理解しない」
と百田氏は開き直っていたが、大炎上は止まらず、次の日には謝罪して
撤回せざるを得なかった。

名古屋市長選でも影響することは必須。
 
小説家やYouTuberなら「グロいこというおっさんの居酒屋話」で済むかもしれないが国政政党になって、政党助成金が支払われる立場の公的な党の党首としては許されない発言。
 
貴方は何がまずいか、わかりますか?
 
そもそも、出産年齢に限りがあることは最近かなり不妊治療が一般的になってきてだんだん周知はされてきている。
 
以前から35歳になると高齢出産で、卵子の受精率はガクッと落ちることは
知られていた。
 
あたかも女性の社会進出が少子化における原因で、女性は子どもを産むことを第一目的にせよと言わんばかりの対応策、
 
女性ばかりに問題を押し付けて大学いくな、早く結婚しろ、子宮取るぞと
いう発想が女性蔑視。
 
同じく対策というなら、卵子の冷凍凍結に健康保険を使えるようにするとか、多子出産に助成金出すとか、男性の育児休業をもっと取りやすく
するなどの政策を政治家なら考えるべき。
 
SFだからといっても、そういう発想や価値観が根底にあるんだな、と透けてみえるから反発をくらうのである。
 
配慮のない発言一つで信頼ガタ落ちするので、小説家やYouTuberでなく
国政政党党首になるなら、発言には気をつけないと、政治家は言葉で生きる職業である。
 
また、失言や失態をしたときの初動の対応の仕方が、その後の炎上に
とても関係してくる。
 
どんなに言い訳したくても、自分が間違ってないと思っても、様々な
価値観の違う大勢の人から常識的にどう見えるのかを意識しないと
政治家としては失格だ。
 
一方で、今回の衆院選で28議席と前回から4倍に伸びた国民民主党の玉木氏は、元グラビアタレントとの不倫をすっぱ抜かれたが、すぐに認めて謝罪したため、そこまで炎上しなさそう。
 
議席が4倍と大躍進した途端に暴露されるのは、以前から不倫スキャンダルをマークされていたのだろう。玉木氏も衆院選で大躍進して、油断していたと言わざるを得ない。
 
国民民主の103万の壁は自民党も調整に入りそうなので、国民民主の手柄になりそうだが
 
「対決より解決」
「国民の手取りを増やす」
「103万の壁」

などわかりやすい政策を衆院選で訴えて、今までの与党批判のみの野党と
いうイメージから、交渉して政策を実現するリアリズムとポピュリズムを
国民民主党は体現している。
 
「野党は批判ばっかりで対案がない」と不満だった人たちに、裏金にまみれた自民党ではない、対案を持った具体的な政策を与党に交渉して、実現してくれそうな国民民主党が、魅力的にうつったのも理解できる。
 
不倫は家族を不幸にするので、第一に玉木氏の妻がどう判断するのか、が
問われるのであって、有権者にとっては直接利害関係はない。
 
政治家としてはさっさと認めて謝罪して、衆院選での「手取りを増やす」
公約を実現することに邁進してほしい、というのが有権者の意向か。
 
もちろん、「家族を裏切る人は国民も裏切るのでは?」という意見や
「やっぱり玉木もか」とガッカリしたという声も聞く。
 
しかし、玉木の不倫で自分は困らないけど、手取りが少ないことでは
困っているので、国民民主党にそこを是非変えてほしいという声も大きい。
 
スキャンダルがあったときの、初動の対応の違いも日本保守党の百田氏と
明暗を分けたのではないだろうか。
 
落ち度があったなら、言い訳せずにすぐに謝罪、がその後の炎上を鎮火
させるポイントなのである。
 
外山麻貴(とやままき)朝霞市議会議員


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