慌ててSTARS行ってきた
コロナちゃんのおかげで家で過ごす時間が長いと、
たとえ5−6人の人とZoomで話したって時間を流れを感じにくい。
いつもこの時期になると、
「今年も終わりよねー。ついこの間お正月だったのにねー」って毎年言っている気がするけれど、なんだか今年は様子が違う。
家で過ごす時間が多いせいか、あまり季節の移り変わりにも気づけなかった。
夏がいつの間にか終わったし、紅葉もみる機会なく気がついたら冬になっていた。
そんな時間の過ごし方をしていたもんだから、いきたいな、と思っていたエキシビジョンも終わりかけていて慌てて行ってきた。
村上さんも草間さんも奈良さんも機会があれば見るようにしているので、
初見のものは少なかったけど、見る場所が違うと全然感じが違うのと、
何より、3月のバンクシー以来で、エキシビジョンから足が遠のいていたんだなーと少しコロナを恨めしく思う。
ふらふらと作品の間を不規則に歩くのが好きだ。
気分良く、立ち止まりたいところで立ち止まっては見上げたり、
説明を読みたいところではじっくり読んでみたり、
英語ではなんて説明してあるんだろう?なんて思うと、英語の説明も読んでみたり、気ままな時間を過ごして、STARSのエリアを一歩出たところで、目の前に飛び込んできたインスタレーションに息を呑んでしまった。
STARSとは別空間で、「MAM(Mori Art Museum)プロジェクト」というのをやっているらしいんだが、そこにシオンという韓国人の巨大なインスタレーションがあった。
シオン
1979年唐津(韓国)生まれ、クラクフ(ポーランド)在住。韓国の牧園大学を卒業後、京都市立芸術大学美術研究科で博士号を取得。これまで日本やニューヨーク、香港などで多数の展覧会に参加し、近年はパラソル・ユニット財団(ロンドン)での個展(2019年)など、欧米を中心に活躍。2019 年ヒョンギョンからシオンに改名。
作品《審判の日》は、3トン以上もある衣服でできた巨大な波の中に、小型のチャペルや彫刻が設置されたインスタレーションだ。
シオンは、「巨大な波が示唆するのは、大量消費が引き起こす破滅であり、止めることのできない資本主義社会の姿そのものだ」と言う。
遠くから見たとき、一瞬この衣類ひとつひとつが「死体」に見えた。
「完全に必要のないもの」は行き先のない希望もない冷たさを放ち、
ワタシが感じたのは「絶望」だった。
家に帰ると、クローゼットにはもう何年も着ていない洋服がある。
なんかちょっと息苦しくなってしまって、
ときめかないものはブランドものでめちゃくちゃ高くても捨ててしまおうかなぁ、なんて考えながらの帰り道だった。