記憶と感情のリンク
私たちは、生きている中で経験するすべての事象から、「感情」を突き動かされている。丸く可愛いものを見て癒されたこと、薄暗い部屋に取り残され恐怖を感じたこと、女の子に笑顔を向けられて嬉しくなったこと。全ての出来事が、感情と結び付けられて、脳に刻み込まれる。
そして今後、生活する中で、それらの記憶から無意識的に感情を引き起こされる。黒い車をみて、なぜか高級感と恐怖感を感じてしまう。丸を見れば柔らかさを感じるし、四角形を見ればかっちりとした印象が得られる。
人は画像を見た時にも、その画に描かれた情景と似た経験を想起させられる。そして、その経験から引き起こされる感情に、無意識的に支配される。
その画に表現されている風景や情景が、それと同じような経験をしたときの過去の記憶と結びつき、強制的に感情が溢れ出してくる。
画を作る際には、「どの要素が見る人の感情を揺さぶるのか」、「その想起は自分の表現したいものと相乗効果を為しているのか」というところを意識することが重要である。